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  1. 岐阜県議会 2022-12-01
    12月09日-04号


    取得元: 岐阜県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-17
    令和 4年 12月 定例会(第5回)…………………………………………………………………………………………… △議事日程(第四号)                  令和四年十二月九日(金)午前十時開議 第一 議第百二十六号から議第百五十号まで 第二 請願第四十号及び請願第四十一号 第三 一般質問…………………………………………………………………………………………… △本日の会議に付した事件  一 日程第一 議第百二十六号から議第百五十号まで 一 日程第二 請願第四十号及び請願四十一号 一 日程第三 一般質問…………………………………………………………………………………………… △出席議員 四十二人      一番   平野恭子君      二番   森 治久君      三番   山内房壽君      五番   森 益基君      六番   小川祐輝君      七番   平野祐也君      八番   所 竜也君      九番   今井政嘉君      十番   藤本恵司君     十一番   中川裕子君     十二番   伊藤英生君     十三番   澄川寿之君     十四番   水野吉近君     十五番   安井 忠君     十六番   恩田佳幸君     十七番   若井敦子君     十八番   広瀬 修君     十九番   布俣正也君     二十番   国枝慎太郎君    二十二番   高木貴行君    二十三番   野村美穂君    二十五番   高殿 尚君    二十六番   田中勝士君    二十七番   加藤大博君    二十八番   山本勝敏君    二十九番   松岡正人君     三十番   川上哲也君    三十一番   松村多美夫君    三十二番   小原 尚君    三十三番   水野正敏君    三十四番   野島征夫君    三十五番   伊藤秀光君    三十六番   平岩正光君    三十七番   佐藤武彦君    三十八番   森 正弘君    三十九番   渡辺嘉山君     四十番   伊藤正博君    四十一番   小川恒雄君    四十三番   村下貴夫君    四十四番   尾藤義昭君    四十五番   藤墳 守君    四十七番   岩井豊太郎君 △欠席議員 四人    二十一番   林 幸広君    二十四番   長屋光征君    四十六番   玉田和浩君    四十八番   猫田 孝君…………………………………………………………………………………………… △職務のため出席した事務局職員の職氏名  事務局長         山口義樹 総務課長         高野朋治 議事調査課長       古田幹雄 議事調査課管理調整監   桂川義彦 同    課長補佐    大野享子 同    課長補佐    市川達也 同    係長      市橋ますみ 同    主査      水野 恵 同    主査      柘植健太 同    主査      水谷昭之…………………………………………………………………………………………… △説明のため出席した者の職氏名  知事           古田 肇君 副知事          大森康宏君 副知事          河合孝憲君 会計管理者        北川幹根君 総務部長         尾鼻 智君 清流の国推進部長     長尾安博君 危機管理部長       内木 禎君 健康福祉部長       堀 裕行君 健康福祉部子ども女性局長              村田嘉子君 商工労働部長       崎浦良典君 農政部長         雨宮功治君 県土整備部長       大野真義君 都市建築部都市公園整備局長              舟久保 敏君 教育長          堀 貴雄君 警察本部長        加藤伸宏君…………………………………………………………………………………………… △十二月九日午前十時開議 ○議長(平岩正光君) ただいまから本日の会議を開きます。…………………………………………………………………………………………… ○議長(平岩正光君) 日程第一及び日程第二を一括して議題といたします。…………………………………………………………………………………………… ○議長(平岩正光君) 日程第三 一般質問を行います。あわせて議案に対する質疑を行います。 発言の通告がありますので、順次発言を許します。十八番 広瀬 修君。    〔十八番 広瀬 修君登壇〕(拍手) ◆十八番(広瀬修君) おはようございます。 一般質問最終日トップバッターということで、元気よく、爽やかに質問をさせていただきたいなというふうに思っております。 それでは、通告に従いまして、今回は大きく二つの項目について質問をさせていただきます。 まず初めに、一つ目の項目、多様化する子育て家庭の様々なニーズに応えるための少子化対策について、幾つかお尋ねをさせていただきます。 皆様も御承知のように、少子化と言われるようになりとても長い年月がたっています。その間、国も、本県もいろいろな政策や支援を行ってきたわけですが、その少子化を食い止めるまでには至っていないのが現状ではないでしょうか。核家族化や生活スタイルの変化によって、さらに子供を産み育てる環境への多様化といいますか、配慮も必要となり、難しい問題となっています。 以下、十一月二十九日のテレビ朝日のネットニュースから引用した言葉を御紹介させていただきます。 松野官房長官が危機感をあらわにした、今年一月から九月までの出生数は、速報値で五十九万九千六百三十六人。調査開始以来最も少なかった去年より、およそ三万人も少ない数値です。実際、松野官房長官は、調査開始以来、最も少なかった昨年の出生数を下回るペース、危機的状況であると認識しているとおっしゃっていらっしゃっています。 また、大手シンクタンクが推計した今年一年間の出生数は、およそ七十七万人で、調査開始以来初めて八十万人を下回る見通しだといいます。 日本総研調査部の研究員の方は、「背景には、若い人たちの結婚・出産の意欲の低下ということが見てとれる。賃金が伸びないとか、非正規で働く人が多いといった状況で、家族を持つということに前向きになれない人が多いのではないかと考える」、さらに「高等教育の費用負担をどうしていくのかも大きな課題。若い人たちの半分以上が男女とも大学に進学する時代だ。しかし、親の負担で進学できる人は必ずしも多くない状況であるのに、高等教育の費用負担をどうしていくのかということ、それの国民的な同意をつくっていくことが重要だと思う」、さらに付け加えて「一九九〇年代の十年間に生まれた人は、比較的数が多かった時期、安定していた時期なので、少子化対策をする上で、今を逃すとこの後幾ら対策を取っても少子化のペースのほうが早く進んでしまう。今やらなければいけない時期だと思う。これはもう最後のチャンスです」と述べられています。 また、あともう一人の方の言葉も御紹介させていただきますが、それは、岐阜新聞で取り上げられていた東京岐阜県人会結成百二十周年の記事です。吉村会長が挨拶の中でお話をされた内容です。「郷里の岐阜を含め、特に若い女性の地方から首都圏への流出が目立ちます。歯止めがかからなければ子供の減少につながり、地域社会の維持が難しくなります。雇用の質の向上や医療の充実も不可欠です。コロナで子育て世代に大きな負荷がかかったことにより、若い世代は子供を持つことをリスクと捉えています。子供の育ちや若者を守るという社会の覚悟を示さないと、若い世代は安心して出産・子育てができません。今こそ子供への投資は未来への投資だという私たちの覚悟が試されています。」 この場には、古田知事や平岩議長も同席されていらっしゃり、お聞きになられていると思われます。 あとは、国だけに頼るのではなく、私たち岐阜県の覚悟をどう示していくのかではないでしょうか。地域から若い女性が都心部へ転出しているのか、はたまた県内で移動しているのかなどは、まずは分析することから始めなければなりませんが、様々なマイナス要因マイナス思考が出生数の減少につながっているのであれば、それは可能な限り一つずつ取り払っていかなければなりません。 そもそも結婚した夫婦に子供ができ、とにかく今まで以上にお金がかかるし、心理的にも体力的にも大変だとか、もう子供は一人だけで経済的にも厳しいので十分だわなどと周りの仲間に話したとすれば、それを聞いたまだ結婚していない方々は、ちょっと結婚するのはやめておこうかなあという気持ちになるのは当然のことだと思います。 だからこそ国は、二〇一九年に母子保健法を改正し、子供が生まれた後、いわゆる産後の重要性、もっと言うと産後ケアの重要性を示すため、産後ケアを必要とする出産後一年を経過しない女性及び乳児に対して、心身のケアや育児のサポートなどを行い、産後も安心して子育てができる支援体制を確保し、心身の不調や育児不安等を抱えている方、鬱になりそうな方をサポートするため改正されました。 私は、昨年の十一月定例会で、産後ケアに対するさらなる支援についてお尋ねさせていただき、また助産師の方や保健師の方の県内一体的な確保の難しさの課題も知ることができました。だからこそ、そのような課題の解決に取り組みながら、少しでも民間の力を活用することの提案をさせていただきました。 そのとき同時に、不安や鬱状態になる前に、ちょっとした家事や沐浴などの育児支援や、ママ自身が実際に体を動かす有酸素運動への支援などがあれば、産後鬱や育児ノイローゼの減少、少子化対策、さらには医療費の削減につながるとの考えの下、産後ドゥーラ協会体力メンテナンス協会の御紹介と御提案をさせていただきました。これらの協会のサービスを受けることができる市町があったり、全くない市町村があったりと、県内に住んでいてもサービスに格差があります。 何度も言わせていただきますが、経済的支援、心理的・肉体的負担の軽減等の必要性から産後ケアの重要さが意識され法改正されました。 また、産後鬱は、約一〇%の罹患率であり、一〇%といいますと十人に一人ということになります。産後三か月以内になりやすいと言われています。だからこそ、この時期には切れ目のない支援が必要なのです。 先月、知人の御紹介で、岐阜市を中心に活動中の多胎児サークル、G・ツインズの代表の方から、ぜひとも活動を見に来ていただき、現状を現場でお話しさせていただきたいとお誘いをいただきお会いさせていただきました。G・ツインズとは、文字どおりGIFU・TWINS、多胎児の親子の皆さんの集まりです。基本、ゼロ歳児から二歳児までの多胎児の親子が参加でき、運営されている方は、多胎児を育てている先輩ママさんとボランティアスタッフさんです。 このG・ツインズには、三十五組が登録され、利用者の四割が岐阜市外の方ということでした。コロナ禍でほかの団体やサークルは活動ができなくなってしまい、必然的に他市町から参加が増えたようですが、当日参加されていてお話しさせていただいたママさんも大垣市からの参加の方でした。 三十五組といっても七十人というわけではなく、単純計算で多胎児の親子は少なくとも三人掛ける三十五組で百五人以上、プラススタッフの人数ということになり、全員が集まると会場の確保やコロナ感染症の問題が起き悩んでいるとのことでした。 だからこそ、県や市町村が主催者となり、年に一度や二度の開催ではない定期的な多胎交流会を実施して居場所の提供ができないかとも相談されました。年に一、二度だと、もし子供が当日ぐずつき参加できなくなったとすれば、年一回の参加となってしまい、せっかくの仲間を増やす機会を逸してしまうということでした。 また、単胎児より多胎児のママのほうが体の負担が大きいし問題もあります。お話を聞けば当然のことですが、聞いて初めてはっと分かることもありました。 以前に、山本議員が多胎児のことについて質問されていましたが、そのとき、正直大変さが私にはイメージできていませんでした。私も今回現場に行き、現状をお聞かせいただき、やっと理解することができたというふうに感じております。 少し話は変わりますが、岐阜県には、三十五の市町が運営しているファミリーサポートセンター通称ファミサポというものがあります。県庁の窓口としては、子育て支援課で、運営は地域の方々と市町が協力して、地域の方々がサポーターとしてお手伝いし、センターアドバイザーが利用者とサポーターをつなぎます。市町によっては、利用料の助成があります。 どのようなサポートが受けられるかといいますと、保育施設などの送り迎え、病児・病後児の預かり、買物などの外出時の子供の預かりなどです。そして、サポートを受けるためには、当然、登録手続、アドバイザーサポーターとの打合せ、最後は利用料金の支払いが必要となります。 さらに、このサポートを受けるためには、基本的には窓口へ行かなくてはなりません。また、岐阜市の場合は、多胎児の預かりなどで補助制度があっても、利用料に関する補助金支給申請書を市役所の窓口まで持っていかなくてはなりません。単胎児のママでも大変なのに、多胎児のママともなれば外出するだけでも大変な時間や労力、大きな負担があります。 せっかくの補助金制度があっても、利用料金を一旦支払い、その後戻ってくるというシステムも何とかなりませんかとも言われました。 コロナ禍で、人との接触をできるだけ減らすことに加え、DX化、デジタルトランスフォーメーション化の視点からも、県内同じ利用メニューで格差をなくし、オンラインによる書類の提出や、Zoom等による面談など、変えるべきところはたくさんあるのではないかと感じています。 市町村の事業というのではなく、少子化対策は県内同条件とするよう、県として格差をなくすという覚悟が必要ではないでしょうか。岐阜県は、ほかの都道府県より進んでいて頑張っていることは理解していますが、問題は多岐にわたっております。 さらにG・ツインズの代表の方から、おもいやり駐車場は、多胎児のママたちは利用していないと言われました。そのとき私はびっくりしたのと同時に、なぜとすぐさま聞きました。すると、主な理由は、多胎児は、チャイルドシートを乗せるとベビーカーを乗せる場所は必然的にバックドアとなり、バックドアを開けたとき、壁などが原因で後ろが狭い場合などがあり利用していないということでした。 イメージできるかどうか分かりませんけれども、おもいやり駐車場というのは、結構入り口に近いところにはあるんですけれども、逆に後ろが詰まっていると、バックしてから開けられないので、その手前で止めて、後ろのバックドアを開けようとすると、どうしても前方が前に出て、ほかの方の迷惑になって気を遣ってしまい使いやすくないというような感覚だということでした。ですので、そのときには、できるだけ逆に空いている駐車場を探して、広いところで利用しているということでした。 このことは、もしかして障がいを持たれて車椅子を利用されている方の中にも同様の場合があるのかもしれません。 ここまでいろいろと事例を含め御紹介させていただきながら述べさせていただきましたが、ここで一つ目の項目、多様化する子育て家庭の様々なニーズに応えるための少子化対策について、以下五点お尋ねいたします。 一点目、本県と県内市町村の産後ケアの現状と今後の取組について。 二点目、産後期の子育て支援において、民間の力を活用することに対する県の考え方について。 三点目、産後ケアや多胎児、ファミリーサポートセンターなど、各市町村による格差があることを指摘させていただきましたが、誰一人取り残さないという観点に立った、よく使われているオール岐阜での格差のない支援に対する県の考え方と取組について。 四点目、ファミリーサポートセンターでの例えなどを踏まえ、子育て家庭負担軽減に向けた子育て支援における手続の見直しへのお考えについて。 五点目、ぎふ清流おもいやり駐車場については、昨日の一般質問で山内議員が触れられていますが、私は視点を変えて、横幅は大丈夫だが後ろのスペースが狭いという、ぎふ清流おもいやり駐車場をさらに利用しやすくするため、まずは県や市町村の公共の施設等における今後の対応について。 一点目、二点目、三点目、四点目は子ども・女性局長に、五点目は健康福祉部長に、それぞれお尋ねをいたします。 続きまして、大きく二つ目の項目、県民に親しまれる「ぎふ結のもり」の有効利用についてお尋ねいたします。 県庁舎建設に併せて整備を進めていた県庁舎北側の公園で、七月十六日、開園式を行い、「ぎふ結のもり」と名づけられました。「ぎふ結のもり」の「結」とは結ぶという字を書きます。開園式で、古田知事は、この公園が、人と人、人と自然とを結び、生かし、つながる場になることを期待しますと挨拶されました。 この公園は、芝生の丘を岐阜県の山並みに、レインガーデンを清流に見立て、「ぎふ結のもり」全体で岐阜県の自然を表現しているそうです。国指定天然記念物で県ゆかりの淡墨桜や中将姫誓願桜の二世などが植樹されています。皆さんも一度見て体験してみてはいかがでしょうか。 また、防災機能・設備として、ヘリポートのほか防災井戸や、災害時、直接下水道に排出できるマンホールトイレなどが整備され、岐阜市の避難場所としても指定されております。 また、先月十一月二十六日の土曜日、この「ぎふ結のもり」芝生広場において、主催、岐阜県、共催、サラマンカホール、担当、岐阜県文化創造課で、新たな公園で紡ぐハーモニー、ぎふ結のもり音楽会が開催されました。 私は、近くに駐車場もあり、もちろんトイレもあり、先ほども引用しましたが、知事もこの公園が、人と人、人と自然とを結び、生かし、つながる場になることを期待しますと言われていることもあり、もしこのイベント等で利用したいときはどうしたらいいのでしょうかと担当課にお聞きしたところ、県庁舎の敷地内であり、岐阜県主催でないと利用できませんという返答でした。じゃあそれでは、岐阜県の後援があったら利用できますかとお聞きしたところ、県との関わり具合にもよるが、単なる後援名義だけでは難しく利用できないということでした。さらに少し考え、今のところどのような活用・利用を想定していますかとお聞きすると、農業フェスティバルなどですということでした。 せっかくの立派な公園なのに、県民がイベント等で利用したくても利用できないということが分かり、私の中では、県民の方からいただいた税金を使って整備されているにもかかわらず利用できないなんてという思いがあり今回の質問に至りました。いろいろな利用条件をつけることは必要なのかもしれませんし理解できますが、利用が県主催の場合に限定されることはいかがなものかと私は強く感じております。 そこで、総務部長にお尋ねします。 岐阜県主催だけではなく、イベント等で県民の方が利用できるなど、県民に親しまれる「ぎふ結のもり」の有効利用についての県のお考えをお尋ねいたします。 以上で私の質問を終わりますけれども、先週、私の幼なじみの同級生の息子さんの結婚式に出席をさせていただきました。緊張しているんかなあ、新郎新婦さんと思いながら参加させていただきましたけれども、その新郎新婦さんは最初から最後まで笑顔あふれる二人でありました。それを見て私も本当に幸せな気持ちになりましたし、そのような若い人たち、さらには今回質問で取り上げさせていただいた、やっぱり産前産後のママさんやその若い世代の方々が、これから先もずうっと笑顔でいられる岐阜県になってほしい、そんな思いで今回は県民の皆様からいただいた御意見・御要望を基に質問をさせていただきました。 それぞれ覚悟が感じられる御答弁を期待して私の質問を終わらせていただきます。御清聴いただき誠にありがとうございました。    (拍手) ○議長(平岩正光君) 子ども・女性局長 村田嘉子君。    〔健康福祉部子ども女性局長 村田嘉子君登壇〕 ◎健康福祉部子ども女性局長村田嘉子君) 多様化する子育て家庭の様々なニーズに応えるための少子化対策について、四点御質問をいただきました。 初めに、本県と県内市町村の産後ケアの現状と今後の取組についてお答えいたします。 母子保健法の改正により、令和三年度から産後ケア事業が市町村の努力義務とされましたが、担い手である開業助産師が少なかったり全くいない市町村がございます。そこで、昨年度、県助産師会と市町村の意見交換会を開催し、市町村域を越えて助産師に活動いただくよう広域的な調整を行いました。 その結果、これまで産後ケアが実施できなかった四市町が新たに実施可能となり、今年度から全市町村で実施しているところです。今後は、助産師等従事者向けの研修による従事者の質の向上や、出産後、円滑に産後ケアが利用できるよう、出産前の相談支援の充実にも取り組んでまいります。 次に、産後期の子育て支援において、民間の力を活用することに対する県の考え方についてお答えいたします。 産後の子育て期の女性に対しては、心理的なケアや育児指導だけでなく、家事援助や母親同士がつながる機会の提供など、多様な支援が必要です。また、支援に当たっては、行政や医療機関だけでなく、NPO法人ボランティアの方なども含め様々な方に関わっていただくことで支援の選択肢が広がるものと考えております。 県はこれまで、低出生体重児相談支援や子供の預かり事業において、ピアサポーター子育て経験者へ協力をお願いしてまいりました。今後は、子育て支援に取り組む民間の活動内容を市町村に共有し、市町村が実施する親子教室や家事援助事業に参画いただくなど、民間の知識や経験の活用を促してまいります。 次に、オール岐阜での格差のない支援に対する県の考え方と取組についてお答えいたします。 子育て支援においては、まず住民に最も身近な基礎自治体である市町村が地域の実情に応じたサービス提供を行っております。 また県では、市町村単独では難しい事業を実施しており、例えば、多胎児への支援では、圏域単位での親子教室の開催や、多胎児に特化した子育て支援手帳の配付など、県主体での事業も実施しているところです。 さらに、子育て家庭の多様なニーズに応える支援を充実させるためには、市町村や県だけでなく、今申し上げた民間団体の協力をいただくほか、支援に携わる関係機関の協力も重要です。例えば、病児保育事業において、自市町村内に受入れ可能な施設がない場合でもサービスが利用できるよう、市町村域を越えて広域的に受け入れていただくなど、近隣市町村事業実施施設に協力をいただいているところです。 このように、市町村のみならず関係機関とも連携しながら、引き続きオール岐阜での格差のない支援を進めてまいります。 最後に、子育て支援における手続の見直しへの考えについてお答えいたします。 現状、ファミリーサポートセンター事業を実施している市町の多くは、制度の詳細な説明や利用者の状況等の確認のため、登録希望者に原則窓口へお越しいただいております。 一方、ウェブ等による申込みも可能としている市町や、外出が困難な方に対しては、事業担当者が御自宅へ訪問して登録手続を行う市町もございます。また、コロナ禍を契機としたICTの普及を踏まえ、例えばビデオ通話アプリを活用した申込み手続も可能であると考えられます。 このような利用者の負担軽減につながる柔軟な対応を市町村に提案してまいります。 ○議長(平岩正光君) 健康福祉部長 堀 裕行君。    〔健康福祉部長 堀 裕行君登壇〕 ◎健康福祉部長(堀裕行君) 公共施設等におけるぎふ清流おもいやり駐車場の今後の対応についてお答えします。 国の駐車場設計・施工指針では、例えば普通乗用車の駐車区画の横幅は二・五メートル以上、奥行きは六メートル以上と示されております。その上で車椅子使用者用の駐車区画は、バリアフリー法によって横幅を一メートル広げた三・五メートル以上と定められているのみで、奥行きを普通乗用車用より広げる基準とはなっておりません。 ぎふ清流おもいやり駐車場は、先ほど申し上げた国の指針等に基づき、公共施設や商業施設に既に整備された駐車場の区画の一部を届出いただいているものであり、駐車区画の奥行きを広げることは、駐車場全体の区画の再整備につながるため、対応は難しい状況です。 このため、バックドアを開ける必要がある場合は、区画内の手前側に駐車して車両後部のスペースを確保していただくことや、前向きに駐車していただくことなど、駐車場の状況に合わせた利用をお願いしておりますが、御指摘も踏まえ、今後、県では公共施設等に対し、できるだけ後ろのスペースが広い区画の届出をお願いしてまいります。 ○議長(平岩正光君) 総務部長 尾鼻 智君。    〔総務部長 尾鼻 智君登壇〕 ◎総務部長(尾鼻智君) 県民に親しまれる「ぎふ結のもり」の有効活用についてお答えいたします。 「ぎふ結のもり」は、県庁舎と一体性のある空間として再整備しておりまして、日常的には、例えば天気のよい日などは、小さなお子さんと保育士の方が散歩したり、夕方には子供たちの遊び場になり、それからウオーキングコースにもなり、また休日の日は御家族のくつろぎ場所になるなど、思い思いに活用されておりまして、県民の皆様の憩いの場となっているところであります。 県といたしましても、「ぎふ結のもり」を地方自治法に定める行政財産として、県庁舎共用部分使用要領に基づき、県の事務や事業、それに密接に関連する事業の広報などにおいて使用することとしております。 こうした中、県民の皆様に親しまれ末永く活用していただけるよう、七月の開園時には公園の機能や特徴を紹介するウオークラリー、十月にはぎふ清流郡市対抗駅伝の開会式、十一月には、質問の中で紹介いただきましたが、音楽イベントを開催し、近隣住民の方をはじめ多くの方々によりにぎわいを見せたところであります。 このような様々な活用の中で、県以外の方から、県との連携や県事業への参画による活用の御要望があれば、その内容、実施方法などをよくお聞きし検討してまいります。 ○議長(平岩正光君) 十五番 安井 忠君。    〔十五番 安井 忠君登壇〕(拍手) ◆十五番(安井忠君) おはようございます。 議長より発言の許可をいただきましたので、通告に従いまして、私からは二項目について質問をいたします。 初めに、西濃圏域周辺における橋梁整備の進捗と今後の見込みについての質問をさせていただきます。 社会保障費の増大を背景に、国や地方自治体の予算が逼迫し、道路整備など社会基盤整備も質が問われております。 従来、社会基盤整備による効果は、フロー効果と言われる生産活動の創出、雇用の誘発、所得増加による消費の拡大を目指して推進されてきましたが、現在では、ストック効果と言われる安全・安心効果、生活の質の向上効果、生産性拡大効果も重視されております。 中部地方では、名古屋環状道路や湾岸施設の整備など、中長期にわたって経済的なメリットが得られる社会基盤整備が進められてきました。 当県では、東海環状自動車道東回りルートが整備され、企業や商業施設の立地が促進されてきました。そして、現在整備中の西回りルートについても早期開通を見据え、工業団地への企業立地や観光活性化の取組が促進されることが期待されているところでございます。 また、令和元年度に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが試算した資料によると、東海環状自動車道全線開通による全国への経済効果は五十年間で約二十七兆円になると見込まれております。 こうした中、当県の企業誘致戦略によると、西濃圏域では、豊かな水資源を生かした食品関連企業の集積(食品クラスター)やハイテク食物工場の集積(スマートアグリパーク)が計画されております。 私の選出区である安八郡でもNEXCO中日本と安八町による名神高速道路安八スマートインターチェンジが開通し、当初計画を大きく上回る利用台数となっております。 こうした現状に加え、東海環状自動車道西回りルートの開通を見据え、西濃圏域と岐阜・名古屋圏を結ぶ東西のネットワーク強化の必要性が非常に高まっております。 特に西濃圏域は、県を代表する三大河川、木曽川、長良川、揖斐川が集まっており、言うまでもなくこれらを渡河する橋については設置箇所が限られており、どの橋梁に至っても、朝夕は必ずと言っていいほど渋滞しています。 例えば、養老インターチェンジの東側で、揖斐川を渡河する福束大橋については、慢性的な渋滞が発生しており、地元住民だけでなく周辺事業者などからも改善の要望が出されております。 こうしたことも踏まえ、県においては、西濃圏域と岐阜・名古屋圏域を結ぶ東西のネットワークの強化のため、平成十三年度から木曽川を渡河する(仮称)新濃尾大橋、平成二十九年度からは長良川を渡河する(仮称)長良川新橋の整備が進められております。 そして、先ほど紹介しました福束大橋の渋滞緩和に向けて、揖斐川と牧田川を渡河する新たな橋梁として、(仮称)新養老大橋の整備への期待が高まっております。 この(仮称)新養老大橋については、養老インターチェンジから東進し、輪之内町、海津市、羽島市を経て名古屋圏へ結ぶ道路として整備を実現すべく、平成二十一年度に新養老大橋(仮称)架橋建設促進期成同盟会を結成し、関係市町と協力しながらも、その実現に向けて鋭意活動しております。 このインフラ整備によって、地震や水害といった災害時の復旧活動への活用、東海環状自動車道へのアクセスによる三重県、愛知県との交流促進、経済活動の活性化、渋滞対策及び交通分散への寄与、公共交通利用の促進や通勤・通学の生活の利便性の向上といったストック効果が期待できます。 このように、大河川を渡河する橋梁については、混雑緩和だけでなく、広域観光交流、産業物流及び防災に寄与するものであり、今後ますますその重要性が増していくと考えられます。 そして、東海環状自動車道西回り区間の全線開通という歴史的な変容、大交流時代を迎えようとしている中、その効果を最大限に発揮するためにも、現在整備中の橋梁を含めて、今後もしっかりと整備を進めていただきたいと思っております。 そこで、県土整備部長にお伺いします。 西濃圏域と岐阜・名古屋圏を結ぶ東西ネットワークの強化に向けて、現在、大河川で整備が進められている(仮称)新濃尾大橋と(仮称)長良川新橋の整備の進捗状況と、(仮称)新養老大橋を含む今後の見込みについて御答弁をお願いいたします。 続きまして、稲作農家の生産環境づくりについて質問をいたします。 日本は稲作が盛んで、岐阜県においても耕地面積の四分の三を水田が占めています。また、機械化した水稲栽培技術の中で、高い生産量を上げることに成功をしております。 しかしながら、現在、日本の稲作は、米の供給が需要を上回る需給緩和となり、苦境に立たされております。ちなみに、二〇二一年生産米相対取引価格は、前年に比べて約一三%も下がっております。 また、生産現場では新たな懸念が生じております。農林水産省の水田活用の直接支払交付金の見直しです。この交付金は、食料自給率・自給力向上に資する麦、大豆、飼料用米等の戦略作物の本作化とともに、地域の特色を生かした魅力的な産地づくり、高収益作物の導入、定着等を支援するもので、主食用米の需要が減少した分、非食用米である飼料用米などを作ることで、水田を水田として守り続けていくための水田フル活用という取組を支えるものです。 飼料用米は、主食用米の収穫を目的としないため、水稲を作りながら生産調整ができて、排水不良田など水稲以外の作物が作りにくいところでも取り組みやすい転作作物です。主食用米から飼料用米へ転換しても、生産者が所得を維持できるようにするための助成事業ですが、今年から飼料米への支援が一部縮小されました。 農水省は、容易に主食用米に戻せる飼料用米でなく、麦、大豆、野菜など収益性の高い作物に転作させる方針だと思われますが、これら畑作物を作るには、新たな栽培体系が必要となります。 さらに、今年度から二〇二六年度までの五年間で、一度も水張りや水田として米の作付が行われなかった農地は、二〇二七年度以降交付金の対象外となるなど、稲作は個人、法人ともに苦境に立たされております。 食料の約六割を輸入に頼る日本では、現在、円相場の影響で食料価格が高騰しております。そんな中だからこそ、食料国内自給率を高めるためにも、国内農業を活発にしたいところですが、農業に用いる肥料や資材、機械の燃料価格など高騰しております。特に肥料の原材料は、化石燃料や鉱物資源であり、国内での採取ができず、ロシアやその隣国からの輸入に頼っているものもあることから国際相場が上がり、昨年度より三〇%程度高くなっているものもあります。 一方で、農水省が公表している農産物価格指数によると、国内の農産物価格は下がる一方であり、そこで農水省は、農家に対する新たな支援を決定しました。海外に原材料を依存する化学肥料の低減や堆肥などへの国内資源の活用を進めるための取組を行う農業者に対し、肥料コスト上昇分の一部を支援する肥料価格高騰対策事業であり、今年度予算の予備費から約七百八十億円が充てられることになりました。 内容としては、化学肥料の二割低減の取組を行う農業者を対象として、前年からの肥料費の増加額の七割を補填するものです。 ただし、支援を受けるためには、対象となる肥料は今年六月から来年五月までに購入したものに限られるとのことです。土壌診断による施肥設計や堆肥の利用、緑肥作物の利用など、農水省が設定した十項目以上の取組のうち二項目以上を実施するなど幾つかの参加要件があります。 今年七月に施行された環境負荷低減を目標としたみどりの食料システム法を進める上での支援事業でもありますが、農家への丁寧な説明と理解を得ることが必要ではないかと思います。 しかし、これらの支援策は一時的、緊急的な処置にすぎません。現在置かれている問題の根本は、食料も農業資材も輸入に依存している日本農業の在り方ではないでしょうか。 そんな中、米の自給率はほぼ一〇〇%です。食料価格が高騰しているのに米の価格が上がらない原因は、近年、欧米型の食生活の様式が増えた上に、高齢化、人口減が進み、米の需要自体が減少しつつある中、このコロナ禍により外食の機会が減り、業務用使用量までも減少しているからだと考えられます。 この需要減を裏づけるためデータを紹介します。日本人一人当たりの米の年間消費量は、二十年間で十五キログラム減り、現在は五十五キログラム程度となっております。 輸入小麦の高騰により、国産米や国産米粉に注目する食品会社や外食産業が増えている今こそ、消費者や企業と共に米の消費拡大に努力していくときではないでしょうか。 また、米だけでなく農業全体を見ても、従事者の高齢化、後継者不足などで休耕、耕作放棄地が増え、農地の価格も下がっており、まさに負の資産になろうとしております。 食料市場では常に安値が求められ、農業資材が値上がりをしても簡単に価格に転嫁できない現実があり、農業が適正な対価を得て経営できるようにしなければ持続可能な食料自給も難しいと考えます。 そこで、農政部長にお尋ねします。 県が生産を推進する農産物も大切でございますが、県内で最も多い稲作を支援することもおろそかにはできないと考えております。主食である米の生産者がこの先も安心して生産できる環境づくりについて、県の方針をお聞かせください。お願いいたします。 以上をもちまして私からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。    (拍手)
    ○議長(平岩正光君) 県土整備部長 大野真義君。    〔県土整備部長 大野真義君登壇〕 ◎県土整備部長(大野真義君) 新濃尾大橋と長良川新橋の整備の進捗状況と新養老大橋を含む今後の見込みについてお答えします。 なお、これらの橋名は建設中など未完成であり仮称となります。 まず、県境に架かる新濃尾大橋は、愛知県と共同で事業を進めており、昨年度までに十基の下部工が全て完成しております。現在は、上部工を整備しているところであり、令和七年度の完成を目指して着実に進めてまいります。 また、長良川新橋については、これまでに取付け道路に要する用地の約三割を取得するとともに、橋本体としては、今年十月から下部工全十基のうち二基に着手しております。こちらも早期完成を目指し整備を進めてまいります。 次に、新養老大橋については、これまでに近接する福束大橋の渋滞対策に係る交差点解析などを実施するとともに、周辺道路網の再編を見据え、県と関係市町による検討委員会で、その課題や方策について整理を行っているところです。 県としては、整備中の橋梁の進捗状況、検討委員会での議論を踏まえ、今後の整備の必要性などについて検討を進めてまいります。 ○議長(平岩正光君) 農政部長 雨宮功治君。    〔農政部長 雨宮功治君登壇〕 ◎農政部長(雨宮功治君) 稲作農家が安心して生産できる環境づくりについてお答えいたします。 稲作農家の営農継続には、所得の安定的な確保につながる取組が重要であり、このため、生産体制の効率化、安定取引の拡大、消費拡大のための新たな需要の創出に取り組んでまいります。 具体的には、まず生産体制の効率化では、省力・低コスト栽培技術の普及と必要となる機械や施設の導入を支援してまいります。 次に、安定取引の拡大に向けて、取引価格をあらかじめ決める契約栽培や、市場ニーズを捉えた特色ある生産を行うオーダーメード型の米作りを推進し、再生産につながる販売価格の確保に努めてまいります。 そして、新たな需要の創出に向けては、冷凍米飯などの新商品の開発や、小麦粉の代替として米粉レシピの開発と普及を促進します。また、米のコンテストやフェアなどの開催を支援し、各地のこだわりの米の魅力を消費者や販売事業者等に広くPRし、県産米の消費拡大につなげてまいります。 このほか農業経営に影響を及ぼす肥料高騰については、国の支援策を注視しつつ引き続き必要な対策を検討してまいります。 ○議長(平岩正光君) 十一番 中川裕子君。    〔十一番 中川裕子君登壇〕 ◆十一番(中川裕子君) 日本共産党の代表質問を行います。 まず、質問に先立って、物価高騰から暮らしを守るには、緊急的・限定的な給付事業だけでなく、県民全体に対し、子育てや教育、医療に関わるお金の心配を減らすことが最も重要だと思います。これから質問します二項目は、どんな家庭環境であっても社会全体で子供を育てていく、子どもの権利条約を中心にした長年の県民要望です。特にこの物価高騰の厳しいときだからこそ実施すべきとの意味合いを込めて質問いたします。 まず初めに、子供の医療費助成制度について、知事に伺います。 所得制限や一部負担の有無など方法は様々ですが、厚労省の調査によりますと、通院で高校卒業まで対象にしていた市町村は、二〇〇九年時点で二自治体、全体の〇・一%だったのが、二〇二一年度には四七%になりました。多くが就学前まででしたが、二〇二一年には中学校卒業以上が九五%を占めるまで、この十二年で大きく広がっています。 このように市町村で対象年齢が一気に拡充された要因の一つに、都道府県レベルで対象年齢を引き上げるという大きな後押しもありました。最近では、栃木県、神奈川県がそれぞれ対象年齢を十五歳、十二歳まで拡充、長崎県や東京都は十八歳まで引き上げることを発表しております。十八歳まで対象となったのは、これで入院のみの茨城県を含む七都道府県となっています。 岐阜県は、通院、入院とも就学前までですが、本県より対象年齢を拡充している都道府県は、来年度は通院で二十三、入院で二十八になります。対象年齢で見ると、全国的には後れを取っている状況です。 県内においては、市町村の取組が進み、全ての自治体で中学生まで無料、約半数の自治体が十八歳まで無料となりました。ただ、今後十八歳まで無料化すると表明している自治体を含めますと、西濃圏域、飛騨圏域がほぼ全域に広がることになり、一方、対象となる子供の数が多い岐阜市などでは踏み切れていないのが現状です。 財源の裏づけがいつも問題になりますが、現在の制度に対象年齢を引き上げた二〇〇六年には、決算ベースで年間二十三億円必要でしたが、二〇二一年度決算では、約十五億八千万円になっています。当時は予算を十億円増やして拡充されましたが、少子化に伴い年々子供の医療費助成の予算は減っており、今は拡充前の予算水準に近いところまで来ています。対象を一学年引き上げるのに必要な予算は二・三億円、当初の予算水準に戻すことで対象年齢の拡充は十分に可能と考えます。 また、ほかの自治体では、物価高騰対策として子育てにかかる負担を減らすために緊急的に財源を充てています。今議会では、物価高騰対策とし、県有施設整備・コロナ対策基金を取り崩したり、物価高騰による県有施設の光熱費補填や職員給与の増額に財政調整基金の取崩しをしており、県有施設整備・コロナ対策基金の活用可能額は二十億円ある。財政調整基金の残高は二百億円弱と聞いています。緊急的にこうした財源も活用できると思います。 そこで、知事に二点お聞きします。 一点目、県内約半数の自治体で十八歳まで無料になりました。子供の医療費助成制度が進んでいることについて、県はどのように受け止めておられるでしょうか。 二点目です。比較的対象人口の多い市では、必要となる予算も大きく、十八歳までの拡充に踏み切れておりません。岐阜県市長会からも県へ財政支援を求める陳情が県議会に出ています。このように県内市町村で対象年齢に差が生じていますが、県として対象年齢の拡充を検討すべきではないでしょうか、お考えをお聞きします。 続きまして、義務教育における学校給食の給食費の無償化について、教育長に質問します。 岐阜県内の小・中学校の給食費は、年間四万円から七万円であり、例えば二人兄弟だと年間十万円を超え、三人兄弟だと多いところは二十万円に達することになります。二十万円に近いところまで来ています。副教材費や修学旅行費などの教育費の中で最も重いのがこの給食費です。 そのため医療費とともに市町村が取り組んでいるのが学校給食の負担軽減です。今議会に出ている請願をはじめ岐阜市内では無償化を求めた署名活動が幅広い有志の皆さんで始められております。 さらに、給食に地元産の食材や有機農産物を活用する取組も注目されており、積極的に進める自治体が増えています。この可能性を広げるのも給食費の負担軽減や無償化です。 学校給食は、単なる食事ではなく食育として教育の一つと位置づけられ、近年さらにこの位置づけが強くなりました。子育て支援の一環としてとても喜ばれるだけでなく、教育は無償という大原則から見ても重要な取組であると考えます。 国の交付金の活用や市町村独自の財源を活用し無償化を実施する自治体が県内で増える中、当該自治体内に居住する子供は全員対象にする自治体と、学校設置者が県である特別支援学校の小・中学部に通った場合は適用されないなど、地域によって様々な矛盾も生まれています。 県レベルでは、千葉県では第三子の給食費無償化のために県が財政措置することを発表し、無償化に近づけようと努力しています。本県でも県内に住む子供は皆等しく義務教育は無償という原点が守られるよう、県として市町村と足並みをそろえ無償化に踏み出す必要があると考えます。 そこで、教育長に伺います。 市町村で取組が進んでいますが、その見解についてお聞きします。 二点目です。県立学校の給食の無償化も含め県全体で無償化を進めるため、県として市町村へ財政支援する考えはないでしょうか、伺います。 続いて、安全で手厚い保育の実現に向けた保育施設への支援の拡充について、子ども・女性局長に質問します。 認定こども園の送迎バスでの園児置き去り事故を受け、今議会には安全装置導入を進める予算が出されていますが、現場からは、そもそも現在国が定める保育士配置基準では子供の安全を守れないとの声が上がっています。 国が定めた現在の保育士配置基準は、保育士一人に対し一・二歳児六人、三歳児二十人、四・五歳児三十人となっています。三歳の子供二十人や四・五歳の子供三十人を一人で保育するのは到底無理です。そのため多くの保育施設では、配置基準以上の保育士を配置していますが、配置基準に応じた公定価格しか支払われないため、基準以上の保育士の人件費はほとんど施設の持ち出しです。 しかし、三歳児二十人を一人で保育するところを、例えば保育士二人に手厚く配置したとしても、子供の一人がトイレに行きたいと言えば保育士がその子に付き添い、その間、十九人の三歳児を一人で保育することになり、子供一人一人に気を配れるものではありません。三歳だと一段と活発になり、元気で予測できない動きをし、お友達とのトラブルも多くなる年頃です。園の外での散歩は、子供の発達に欠かせない体験ですが、手厚く保育士を配置したとしても、園に帰ってくるたびほっと胸をなで下ろしているとある保育士は語っておられました。 また、保護者の方からも、県の子ども家庭課との懇談の場で、子供がトイレに行きたいと言ったら、保育士がつい困った顔をしてしまい、子供もそれを察し悪いことをしたと感じていたこと、その保護者も保育士自身が余裕のない中いっぱいいっぱいなのを感じ、申し訳なく感じたとのことでした。 恐らく保育士さんも子供にそんな表情を見せたくなかったと思います。子供の発達と安全を保障するには、今の配置基準がかなり現実と乖離していることは明白です。手厚い保育は、子供、保護者、そして保育士、誰にとっても切実なものだと思います。 そこで、子ども・女性局長に二点伺います。 一点目、配置基準と現状の開きをどう受け止めているでしょうか。また、基準以上の保育士を配置している保育施設への支援をどうお考えでしょうか。 二点目、低年齢児保育促進事業費補助金の小規模保育所への支援の拡大についてです。 コロナ禍で少子化が想定以上に加速しており、低年齢児保育の現場は運営が不安定になっています。この制度は、年度途中に入所することが多いゼロ歳児など低年齢児保育に対して事前に保育士を配置した分を補助する県独自の制度であり大変喜ばれていますが、私立保育所などが対象となっており、小規模保育所は対象になっていません。 小規模保育所とは、ゼロ・一・二歳児を対象とした保育施設であり、年度途中でも子供を受け入れられるよう体制を維持し、待機児童をなくすために大きな役割を果たしています。保育士の雇用を守るため、県としても支援する必要があり、県内の小規模型保育連絡会や保育団体連絡会からも制度改善を求める要望が出されています。 昨年度決算では、予算額に対し執行率が約六割であり四割が不執行でした。予算を余らせるのではなく、ぜひ対象を拡大していただきたい。 そこで伺います。 低年齢児保育促進補助金は、小規模保育所が対象外となっていますが、対象拡大を検討できないでしょうか。 続いてです。新県庁舎県民サービス棟の建設の方向性について、知事に伺います。 新県庁舎再整備基本構想では、行政棟、議会棟に加え、現県庁舎跡地に三棟目として県民サービス棟を建設する構想が示されています。従来の二棟案から三棟案に変更された二〇一六年当時の新聞報道では、現在は国道二十一号から車で訪れる際、正面に現庁舎が目に入るのに対し、従来の計画では建物がなくなることから、目標物がなくなり来庁者が不便なのではないかなどと意見が出ていたとされ、その結果つくられた構想では、ふれあい福寿会館などの出先機関や県警の一部署などが入るとも報じられました。 いよいよ完成を迎える県庁舎行政棟と議会棟は、周辺工事も含め、この一帯で、予算ベースで総額六百六十四億円という規模で進められています。この間、県民サービス棟としての機能がどうしても必要だという議論は出てこなかったと認識しています。今、基本構想の策定時と比べ、コロナ禍と物価高騰など情勢は大きく変化しています。県民生活の実態から見て、新たな建物を建てるより福祉や教育に予算を集中させるべきです。県民サービス棟建設については見直しをして、まずは白紙にするべきだと考えます。 そこで、知事に質問します。 県民サービス棟の建設の方向性について、どう考えておられるでしょうか。また、今後議論を重ねるということであれば、どのようなスケジュールで議論されるかお答えください。 続いて、県立看護専門学校の自死事案を受けた対応について、知事に質問します。 県立看護専門学校の学生が実習中に自死するという痛ましくつらい事案が起きました。心よりお悔やみを申し上げます。 SNSには、学校のことで悩んでいた旨が書かれており、現在、第三者による調査が始まっています。指導との因果関係は今後の調査に委ねられるものと考えますが、ほかにも様々な声が寄せられており、在学している学生や学校関係者へ寄り添った対応が求められていると思います。 近年、全国では、看護専門学校におけるハラスメント疑惑が問題となっています。千葉県の養成所では、教員のパワハラを訴えて、一学年の四割が一斉退学、北海道のある学校では、学生の自死、そして五十三件のハラスメントがあったことが明らかになりました。 命を守る医療現場で働くための厳しさを教えることと、学生が自ら命を絶つほどに追い詰められるということは根本的に違います。こうした事態を厚労省も重く受け止め、個別の学校だけの問題にとどめず、看護専門学校の実態を調査すると答えています。 今回の自死事案に関する報道の中で、十一月九日付の中日新聞では、岐阜県内の看護専門学校の卒業生が、厳しい指導に対し悩み精神科を受診した経験や、耐えられず退学するケースがあったとの訴えが掲載されました。 また、この方だけでなく、御遺族が聞き取った県立看護専門学校の学生たちの声からも、指導の中で人格否定されたと感じるなどの声があり、悩んでいる様子が私も感じられました。そういった声は今でも御遺族の元に寄せられているそうです。 また、市町村へも学生からの相談がなかったわけではないようです。そのため、命を守る医療現場を志す学生と、そして教員が信頼関係を持てるよう県として早急に対応することが求められます。 例えば、厚労省が策定した職場におけるハラスメント対策の指針では、事業主は、パワハラ防止のための方針の明確化、予防措置、相談体制の整備と対応など講じるべき措置を定めています。また、その際の留意事項として、早期実態把握や不利益防止や秘密保持など相談体制の強化が上げられていることも重要なポイントです。 この厚労省の指針は、職場における対策ですが、今回のケースでも十分に参考になる指針です。ぜひ設置者である県は、早急にこうした対応を検討していただきたいと思います。 そこで、二点知事に質問します。 一点目、実習中に学生が自死するという状況が起きてしまった今、県として県立看護専門学校の指導の在り方を県民と共に考え、学生を守ることを県の最重要課題に位置づけてほしいと願っています。今回の事案について、知事としてどのように受け止めておられるでしょうか。 二点目です。全ての県立看護専門学校の実態をつかむため、県として学生へ聞き取り調査を実施する必要があるのではないでしょうか。また、在学中の学生や、今後入学を検討している学生が安心して学校に通えるよう、ハラスメントを感じたときにその悩みに寄り添える相談窓口を早急に設置するべきではないかと思いますが、お考えをお聞きします。 最後に、この冬のコロナ対策について、健康福祉部長に伺います。 十月一日よりコロナ病床を確保している医療機関への病床確保料の取扱いが変更になり、即応病床使用率五〇%を下回る場合に補助上限が設けられるなど大幅減額される可能性が出てきました。岐阜県や全国知事会の要望により、知事の裁量が大幅に認められることとなり少し安堵していますが、知事の裁量がどこまで認められるかは不透明です。医療機関にとっては、コロナ病床を確保することで病院経営に影響が出る可能性もあり、県民にとっても重大な問題です。改善に向け御尽力されている関係者の皆さんに感謝するとともに、全ての医療機関が従来の病床確保料の取扱いを継続できるよう強く要望いたします。 岐阜県では、十一月二十九日に県独自の医療ひっ迫警戒宣言が出されました。感染拡大に備えた医療体制が求められる中、この国の改正が契機となり、岐阜市で二つの医療機関がコロナ病床の確保から撤退されるなど、岐阜県内のコロナ病床確保数にも影響が出ているようです。 そこで、二点、健康福祉部長に質問します。 一点目、病床確保料の取扱いについて、知事の裁量が大きくなりましたが、これまで病床確保に力を尽くしてきた医療機関が全て従来の取扱いとなるようにしていただきたい。県のお考えをお聞きします。 二点目です。県独自に給付してきた感染者を受け入れる医療機関への協力金制度について、継続を求める声が医療機関から上がっております。経験したことのない年末年始となる可能性が想定される中で継続は必須であると考えます。こちらについてもお考えを伺います。 以上、六項目質問いたしました。よろしくお願いします。 ○議長(平岩正光君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) おはようございます。 私のほうには三項目御質問がございました。 まず、子供の医療費助成の現状に対する見解及び対象年齢の拡充についてでございます。 本県の子ども医療費助成は、小学校就学前までを対象として、市町村が行う医療費助成に対して補助を行っております。 全国的に見ますと、対象年齢の点では、本県を含め小学校就学前までを助成対象としている県が比較的多い状況であります。また、本県の場合、一部負担や所得制限がなく、全国的に見てこのことは本県の医療費助成の特色でございます。 また、県内市町村においては、現在、四十二全ての市町村が入院・通院ともに中学校卒業までの無料化を実施されております。さらに、通院については二十一の市町村が、入院については二十四の市町村が高校生世代までを対象とされております。これらは、各市町村の政策判断によって実施されているものというふうに承知をしております。 県としての助成対象年齢の拡充につきましては、県の医療費助成を持続可能なものとして維持していく観点から、慎重に見定めてまいりたいと考えております。 県としましては、子供の医療費については、本来、全国共通の考え方に立って、国において全国一律の制度を創設することが望ましいというふうに考えております。このことについては、かねてから全国知事会からも、また本県としても国に対して強く要望しているところでございます。 次に、新県庁舎の県民サービス棟の建設の方向性についてでございます。 平成二十八年三月に策定いたしました岐阜県庁舎再整備基本構想におきましては、本庁執務機能を中心とする行政棟、議会機能を担う議会棟、そして来庁者の利用が多い行政機能を中心とする県民サービス棟の三棟の役割を整理しております。 このうち、県民サービス棟につきましては、岐阜地域の現地機関の集約など、行政サービスの向上を図ることを目的として基本構想において、現県庁舎解体跡地への配置を計画したものであります。 したがいまして、大まかに申し上げれば、まずは新庁舎の完成と供用開始、次に現県庁舎の解体、そして県民サービス棟の建設をどうするかというスケジュールになるわけであります。 行政棟、議会棟は、建設工事が完了し九月に引渡しを受けたところであります。年内には外構工事や関連工事を終え、来週十六日には竣工式を行い、来月一月四日には開庁式を迎える運びとしているのは御案内のとおりでございます。 そして、その先のスケジュールを申し上げますと、次に手をつけるのが現庁舎の解体工事ということになります。この解体工事は、アスベスト除去をはじめ騒音、振動、粉じんなど環境対策に万全を期すため、工事の発注準備などを含めますと五年程度の期間を要する見込みでございます。 基本構想策定から今年で六年半がたち、この間、新型コロナウイルス感染症により社会経済が変容する中で、DXの推進、脱炭素社会への対応、新次元の地方分散など行政ニーズも大きく変化してきております。また、急激な物価高、円安などによる資材価格や労務単価の高騰が建設コストに大変大きな影響を及ぼしております。 このため、まずは現県庁舎の解体工事を着実に進める中で、社会情勢とこれに対応する行政ニーズの変化をしっかりと見極めていくとともに、財政事情も十分考慮しつつ、しかるべき時期に、跡地活用の在り方について検討を進めていくことが適当であると考えております。 三番目に、県立看護専門学校の自死事案に対する見解並びに実態調査の実施及び相談窓口の設置についてお尋ねがございました。 今回の事案は、県立看護専門学校で起きました大変残念な出来事でございます。私としても心から御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。 こうした出来事は断じてあってはならないことであり、事実の確認、原因の究明、再発防止の徹底が急務でございます。そのため、まずはお亡くなりになった学生に対し、学校がどのように日頃の指導に当たってきたのか、指導と自死との間にどのような関連があったのか、あるいは学校の指導に問題はなかったのかなどについてしっかりと把握をし、課題を明確にすることが重要でございます。 こうしたことから、五名の専門家に第三者調査として公正・中立な立場からの事実調査と、多角的視点からの検証をお願いし、現在精力的に作業を進めていただいております。また、それらを踏まえ、現在行われている教育内容についても改善すべき点があれば御提言いただくこととしております。 県としては、この第三者調査の報告を踏まえて対策をまとめたいというふうに考えております。 また、他の県立看護専門学校の学生への実態調査の実施につきましては、この第三者調査の終了後、その内容も踏まえて対応したいと考えております。 次に、相談窓口についてでございますが、事案の発生前から全ての県立看護専門学校におきまして意見箱を設置しております。そして、本事案が発生した学校では、発生後直ちに学生のメンタルケアのため、今回の事案に対する緊急措置ということで、スクールカウンセラーあるいは教員による相談窓口を設置いたしました。その後も学校生活全般に関する様々な悩みを相談できるお悩み相談箱を設置し、記名・無記名を問わず学生の皆さんが悩みを訴えやすい環境の整備に努め、寄せられた御意見は教務主任が確認をし、対応に当たるという体制を確立してきたところでございます。 他の県立看護専門学校における緊急事態への対応をはじめ悩み事に対する相談窓口の設置につきましても、今後、第三者調査の結果を踏まえて対応してまいりたいと思っております。 ○議長(平岩正光君) 教育長 堀 貴雄君。    〔教育長 堀 貴雄君登壇〕 ◎教育長(堀貴雄君) 義務教育における学校給食の給食費無償化について、二点御質問がありました。まとめてお答えします。 学校給食の負担については、学校給食法において、施設設置や運営に要する経費は施設者負担、食材費は保護者負担とされております。 物価高騰の中、現在、全ての市町村において、国の臨時交付金などを活用して公立の小・中学校の給食費支援が行われております。支援の内容としては、給食費の無償化、半額補助、第三子以降の無償化、物価高騰による増加分の補助など、各市町村の実情に応じて対応がなされております。このうち給食費の無償化は十二市町で行われ、期間を限定するものが八市町、限定しないものが四市町となっております。 県教育委員会としましては、今年度、このように物価高騰対策として臨時交付金の活用が可能になったことから、保護者負担軽減のため、積極的な活用を市町村に働きかけたところです。これにより三十四市町村で交付金が活用されております。こうした取組は、設置者としての市町村の政策判断により実施されているものであると考えております。 このため、給食費負担の在り方については、まずは市町村において検討されるものと考えており、そうした上で、学校給食を持続可能なものとして維持していく観点、県財政の持続可能性を確保する観点から、市町村への財政的支援については慎重に検討していくべきものであると考えております。 一方、県立特別支援学校においては、公立小・中学校と同様に、食材費を保護者が負担するものとして給食費を各学校で定めておりますが、国において特別支援教育就学奨励制度が設けられております。この奨励制度の下で、保護者の所得に応じた手厚い支援が行われており、現在、既に九割を超える保護者が全額または半額の補助を受けられております。 こうした状況に鑑み、さらなる無償化については、慎重に対応していく必要があるものと考えております。 ○議長(平岩正光君) 子ども・女性局長 村田嘉子君。    〔健康福祉部子ども女性局長 村田嘉子君登壇〕 ◎健康福祉部子ども女性局長村田嘉子君) 安全で手厚い保育の実現に向けた保育施設への支援の拡充について、二点御質問をいただきました。 初めに、保育現場の現状に対する見解と配置基準以上に保育士を配置している保育施設への支援拡充についてお答えいたします。 より質の高い保育を目指すため、基準以上に保育士を配置することは、県としても意義のある取組であると考えております。そこで、これに取り組む施設への支援を実施しています。 平成二十七年度に開始された子ども・子育て支援新制度における配置加算の取組として、国は配置基準以上に保育士を配置した場合に運営費を加算する制度を掲げています。しかし、現在は三歳児配置加算のみ実施されており、一歳児及び四・五歳児の配置加算については行われておりません。このため、これらの加算が早期に実施されるよう、全国知事会を通じて要望しているところです。 また、県としては、障がい児を受け入れるに際し、療育支援補助者として保育士を配置するための人件費支援を私立保育所等に対して実施しており、今後も継続してまいります。 次に、低年齢児保育促進事業費補助金の小規模保育所への対象拡大についてお答えいたします。 低年齢児保育促進事業費補助金は、当時、特にゼロ歳児の年度途中における待機児童が多かったことを踏まえて、平成二十年度に開始したもので、あらかじめ年度当初から低年齢児担当保育士を加配する私立保育所等を支援することで、年度途中に新たに生ずる保育希望に対応するものです。 御指摘の小規模保育事業は、平成二十七年度に始まった子ども・子育て支援新制度の中で、待機児童の解消とともに地域における多様な保育需要に応えるため、市町村が認可する事業です。そのため、小規模保育事業に係る経費については、市町村が負担することがふさわしいと考え、本補助金においては対象としていないところです。 また、県内保育所の定員は、令和四年四月一日時点で約二〇%の空きがあり、保育ニーズは一定程度充足していると考えられます。このため、本補助金については拡充せず、現在の枠組みを維持してまいりたいと考えております。 ○議長(平岩正光君) 健康福祉部長 堀 裕行君。    〔健康福祉部長 堀 裕行君登壇〕 ◎健康福祉部長(堀裕行君) 二点御質問をいただきました。 まず、コロナ病床確保のための病床確保料の運用についてお答えします。 新型コロナ用病床の確保については、これまで多くの医療機関の御協力をいただき、オール岐阜で進めてきました。しかし、病床確保料に係る補助上限額の導入という大きな制度改正を本年十月一日から適用する旨が九月下旬に国から突如示されました。 改正後の制度では、多くの医療機関が補助上限額の適用対象となるおそれがある上、この対象となるか否かが事後にしか判明しない不安定な仕組みであることなどから、医療機関との信頼関係を損ないかねず、大幅な病床の縮小や辞退につながりかねないものでした。 このため、全国知事会を通じて国に強く見直しを求めた結果、知事の裁量により一定の医療機関を補助上限額の適用対象外とし、従来どおりの病床確保料の交付を可能とする見直しが行われました。 これを受け、県では、これまでと同様に新型コロナ用病床を確保いただく医療機関の全てについて、従来どおり病床確保料を交付することを決定したところです。今後も引き続き必要な方が入院することのできる体制の確保に努めてまいります。 次に、新型コロナウイルス感染症患者受入医療機関協力金交付事業の継続についてお答えします。 新型コロナの患者を受け入れた医療機関に対しては、本県独自の対策として、受け入れた患者数等に応じて協力金を交付しています。この協力金を創設した令和二年八月当時は、新型コロナウイルスに未知の部分も多く、医療機関においても新型コロナ患者の受入れに慎重にならざるを得ない状態でした。そのため、病床確保料とは別に協力金を交付することとしたものです。 この協力金をはじめ、薬局等における無料検査の実施など、新型コロナに係る対策は、その時々の感染状況等を踏まえて検討し、必要な事業については延長を繰り返してきました。 本県では、このところ感染が急拡大し、病床使用率の上昇、医療従事者への感染の広がり等、再度の医療逼迫が目前に迫っている状況にあることから、先月二十九日には、「岐阜県医療ひっ迫警戒宣言~かつてない年末年始を避けるために~」を発出したところです。 こうした状況から、この協力金については、本年度末まで制度を延長することとしたところです。 ○議長(平岩正光君) 十一番 中川裕子君。    〔十一番 中川裕子君登壇〕 ◆十一番(中川裕子君) 四項目について再度質問をいたします。 まず初めに、子供の医療費助成について、知事に質問を再度いたします。 自己負担なし、所得制限なしが本県の特徴であると、使い勝手の点からいっても重要なポイントだと私は思いますし、そこは知事と同意見なんです。ただ、岐阜県と同様に所得制限もなく自己負担もなしで、制限を設けていない都道府県でも、例えばお隣の愛知県、それから群馬、沖縄などでは、対象年齢や対象規模というのは岐阜県よりももっと広げております。そういう意味では、ほかにもたくさんありますので、ぜひこの特色は守りつつ拡大をしていただきたいというものです。 なぜ私が年齢にこだわるかといいますと、例えば東京都では、様々な所得制限や何かの制限があるものの、年齢を引き上げたことによって都内の市区町村の多くが上乗せを実施して実質制限なしとして年齢も引き上げていると、都道府県が市町村の制度をさらに引き上げるという役割を担っております。これは全国的な傾向としてそうです。 児童福祉法で十八歳まで切れ目ない支援というのが今重要なキーワードになっております。ぜひ市町村の市長会からも要望が出ているように、この対象の引上げ、年齢を引き上げるということを考えていただきたい、その点についてお考えを伺います。 続いて、教育長に学校給食の無償化について再度伺いたいと思います。 先ほど学校給食法のことを言われました。確かに学校給食法では保護者負担という項目がありますけれども、これは文科省の通達にもあるように、それぞれの自治体が無償化するものを妨げるものではないと、そういう趣旨のものであります。 さらにこの学校給食法の中では、二条だったと思うんですけど、学校教育の一環であると、給食が、そのように明記されております。 そこで、今回答弁いただいた答弁の前提として伺いたいんですけれども、そもそも義務教育の中の給食をどのように位置づけての先ほどの答弁なのか、その点を伺いたいと思います。私は教育の一環である、だから教育は無償という原則に沿って市町村も対応していると思っているんですが、先ほどの答弁はどういう位置づけなのか伺いたいです。 また、もう一点が就学奨励費でかなりの割合カバーしているということを言われましたが、この就学奨励費というのはそもそも経済的に困難な家庭の場合、就学を継続するために持っている制度です。これの根本的な問題は、教育費としてお金がかかるからこういう制度があるわけなんです。なので、この就学奨励費を理由に給食の無償化をしないというのは本末転倒ではないかなと、そういうふうに思います。 教育は無償というのは、特に所得制限なく大原則ですので、その点についてもお考えを伺いたいと思います。 続きまして、保育士の配置基準について二点伺います。 配置基準以上に手厚くするのは県としても意義があることというふうにお答えいただきましたが、医療的ケア児や障がい児の保育支援というのは、これは保育士が付き添えるように配置したときのものであって、通常の手厚い保育とは少し意味合いが違ってくると思います。 各保育施設では、保育士の給料を上げたいと思っても、それ以上に手厚くしたいので、そこに持ち出しをして保育士を配置しているという実情があります。こういう実情から考えますと、国にも要望されているとおり、配置基準をもっと手厚くする必要がある、県としても支援する必要があると思いますが、お考えを伺います。 続いて、低年齢児保育促進事業費の補助金ですが、小規模保育所は市町村が認可するものであるので、市町村が負担するのが適切というお答えでした。この補助金自体も保育の事業主体である市町村に間接補助を行っているものであります。ですから、認可している市町村への支援という意味では、小規模保育所も十分対象になり得るのではないかと思います。 県内どこでもゼロ歳児から低年齢児の保育の預け先をちゃんと確保するというのは、県全体の課題です。ですので、この対象の拡大、そういった意味での拡大はできないか伺います。 最後に、看護専門学校の自死事案を受けた対応について伺います。 第三者調査を待って今後の調査、相談体制を行っていくということなんですけれども、新聞報道によりますと、この調査はすごくしっかりやっていただかないといけないので、年度内に取りまとめられるかどうかというような報道になっております。今現在、在学している学生はどうなるのかなと、先ほどの御答弁を伺って思いました。実際に様々な声が遺族の方に寄せられているのであれば、県としてこの部分は乗り出して、相談体制や調査を行う必要があると思います。 相談体制についても、学校の設置ではなく、秘密がちゃんと保持されるという保障を県として学生や学校に対して示していただきたい、その辺りについて伺います。 以上です。よろしくお願いします。 ○議長(平岩正光君) 中川裕子君に申し上げます。 答弁を求める方のお名前を明確にお願いいたしたいと思います。今四項目ありましたので。 ◆十一番(中川裕子君) 看護専門学校について。 ○議長(平岩正光君) 一番、二番、三番、四項目ありますので、それぞれ答弁者のお名前を。 ◆十一番(中川裕子君) 子供の医療費助成制度は知事、義務教育における学校給食の無償化については教育長、保育士の配置基準については子ども・女性局長、看護専門学校については知事でお願いします。 ○議長(平岩正光君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 二点再質問がございました。 まず、子供の医療費についてでありますが、先ほどは私の答弁で持続可能なものとしてこの助成を維持していく上で慎重にというふうに申し上げましたけれども、どの程度の規模のものかということを申し上げますと、仮に県の助成対象を小学校卒業までに引き上げた場合に毎年十五億円程度の新たな財政負担がかかります。これは継続的に県に生ずるわけでございます。さらに中学生まで引き上げますと数億円、さらに高校生まで引き上げますとさらに数億円、高校生まで全てカバーするとなると大体ざっと三十億円近く毎年これからかかってくると、こういうオーダーでございます。長期的な財源を確保するということで慎重に考えていきたいと、そういうふうに申し上げたわけであります。 議員のほうからは、少子化に伴って子ども医療費助成が減ってきているではないかということでございますが、これは毎年コンマ以下といいますか数千万円のオーダーでこのところ減ってきております。 一方、財政全体を眺めますと、社会保障関係経費がこの子ども医療費助成額の減少をはるかに上回って増えてきておりますし、今後も毎年、年によっていろんな試算がありますけれども、十五億円前後増えていくということでございますので、そうしたことを踏まえて持続可能な制度としてどこまで可能かということについて慎重に見定めていきたいということを申し上げた次第でございます。 それから、看護学校の件でございますが、この件は、私としては丁寧に慎重に対応していきたいというふうに思っておりまして、いろいろと経緯はございましたが、御遺族の意向も丁寧に伺いながら、今、第三者調査に入っておるということでございます。 まずはその結果をしっかり見届けて、必要な対策を総合的に打ち出していきたいと。当然、さらなる実態調査の必要性も出てくるかもしれませんし、新たな相談窓口ということも出てくるかもしれませんが、そこら辺は見極めていきたいと。 ただ、おっしゃるように、相談窓口という意味では、一般的には既にそれぞれの学校に様々なやり方があるわけでありますが、そのほかに先ほど答弁申し上げましたように、意見箱も匿名でできるということでございまして、改めて一人で抱え込まずに悩みや困り事については早めに相談するように呼びかけていくということを各学校で徹底していただくということはやっていったらいいんではないかというふうに思っておりますし、それから身近な学校ではどうしても相談しにくいという場合には、県やNPO法人が運営する外部の相談窓口もございますので、そういったことも御紹介をしながら呼びかけはしっかりやっていきたいというふうには思っております。 いずれにしましても、本格的な対策そのものは、この調査の結果を待って県としてきちっと判断をしたいと思っております。 ○議長(平岩正光君) 教育長 堀 貴雄君。    〔教育長 堀 貴雄君登壇〕 ◎教育長(堀貴雄君) まず一つ目の質問ですが、もちろん給食は、学校教育の中で食育という言葉があるとおり大事なものだというふうに考えております。 そうした中、義務教育の無償化、現在のところ授業料に当たる部分とか教科書、この部分は無償となっております。しかし、学校給食、学用品の購入費、さらには修学旅行とか、もっと言えば制服代などについては、当然保護者負担というふうになっております。 そうしたことを考えますと、義務教育で無償とすべき範囲をどこまでにするのかということを議論する必要があると思います。そうした点では、市町村が義務教育をつかさどっておりますので、そうした市町村の意見を伺いながら議論する必要があると思いますし、もっと言えばそうした点については国でもさらに議論を進めていっていただけるものだというふうに考えております。 次に、特別支援学校の特別支援教育就学奨励費についてお答えをいたしますが、この制度の対象経費の中身としては、教科用図書の購入費や、さらに交通費、寄宿舎の経費、学用品の購入費などに加えて、この項目の中に学校給食が入っているわけですよ。ですから、先ほど申し上げたように、岐阜県においては九割を超える御家庭がこの制度を受けているということで、この学校給食についても支援を受けているものというふうに考えております。 ○議長(平岩正光君) 子ども・女性局長 村田嘉子君。    〔健康福祉部子ども女性局長 村田嘉子君登壇〕 ◎健康福祉部子ども女性局長村田嘉子君) 保育所における配置基準以上に施設が置いてみえることに対する県による支援に対してでございますが、先ほどの答弁でもさせていただいたとおり、安全性を確保するための配置基準は、国が保育全体として検討すべきことと考えております。 まずは一歳児及び四・五歳児の配置加算が実現されるように、引き続き全国知事会を通じて要望していきたいと考えております。 また、低年齢児保育に対する助成でございますが、こちらにつきましては、先ほども申し上げたとおり、小規模保育事業に係る経費については、制度の趣旨から、やはり市町村が負担することがふさわしいと考えております。 また、令和四年度に県が調査した小規模保育を含めた地域型保育事業の定員の充足率は約八〇%となっております。約二〇%程度の空きがあるものと承知しておりますので、その中におきまして市町村でニーズを把握し適切に調整していただければと考えております。 ○議長(平岩正光君) 十一番 中川裕子君。    〔十一番 中川裕子君登壇〕 ◆十一番(中川裕子君) 二点、再度質問をいたします。 まず初めに、子供の医療費助成について、知事に質問をいたします。 財源のことをお話しされました。二〇〇六年のときに対象を引き上げたとき、古田知事の一期目だったと思うんですけれども、当時も大変厳しい財政状況の中、かなり思い切った決断をされたと、私自身はそういうふうに記憶をしております。あの当時増額した予算が十億円ということでした。 それで、例えば、これが高校三年生までだとかなり大変だということであれば、差が生じている高校生部分の支援をするだけでも市町村としてはうんと対象は広がると思うんです。非常に効果的だと思います。高校三年分だと二・三億円として計算しても七億円弱であります。過去に十億円増額をされました。そして、その後子供が減っている、子供の少子化に伴って財源も減って、今では十億円二〇〇六年よりは少なくなっているんです。それを元の水準に戻すだけで高校三年生までカバーできる可能性があるんではないかと私は思います。 また、財政調整基金は百九十八億円、コロナ対策基金の活用可能額が二十億円と伺っておりますので、そういったところを充てる必要があると思います。御答弁をお願いします。 続きまして、教育長に学校給食について再度伺います。 給食が教育の一環であるということをお答えいただきましたので、再度その部分について伺いたいんですけれども、市町村でこういうのは判断していくものと言われました。実際に市町村で判断をして無償化にした場合に、もう一つの次の問題が出てきているんです。それは市町村が設置した学校の給食費は無料なんですけど、そこの市町村の子供でも県が設置した特別支援学校については有料になってしまう。これは設置者である県の責任だと私は思うんです。就学奨励費のことをおっしゃいましたが、半額・全額補助それぞれ、全体として九割カバーしているということであれば、あと一割のところを県がカバーすれば教育の無償の原則は実現できるんではないでしょうか。 そういった点から再度伺いたいと思います。よろしくお願いします。 ○議長(平岩正光君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 高校生部分のみにやったらどうかと、それから財源もあるではないかという話でありましたけれども、財源について申し上げますと、これは継続的な、持続的に財源をどう手当てするかという問題でありますので、例えばコロナ対策基金から持っていくとか、そのときにたまたまここにあるからこうするとかということにはならないんではないかなと思っております。そこが悩ましいところであるわけであります。 それから、市長会からの要望ということを申し上げますと、市長会が私どもに言ってきておられるのは、既に実施している中学生部分について補助金を下さいということを言ってきているんです。やっているとかやっていないとかまばらになっている高校生部分については、市長会からは何の要望もないわけです。それぞれの市町村の判断ということで今は割れているわけですね。したがって、私どもとしては、おっしゃったようなところだけやるという選択肢はないものと思っております。 県が仮にやるとすれば、徐々に下から上げていくという、段階的に上げていくというやり方になろうかと思いますが、現に市長会の要望も義務教育部分をカバーしてくれと言っておられるという、そこはそういう議論をしておるということだけ申し上げておきます。 ○議長(平岩正光君) 教育長 堀 貴雄君。    〔教育長 堀 貴雄君登壇〕 ◎教育長(堀貴雄君) ただいまの質問についてお答えいたします。 先ほど申し上げましたように、特別支援学校においては、九割を超える、実際には九一%を超えておりますが、児童・生徒が先ほどの制度によって支援を受けている状況です。 そうした中で、先ほどお話がありましたように、各市町村の判断によってその支援の仕方はばらばらなわけなんですけれども、そこの市町村に住む児童・生徒が県立の特別支援学校に通っている場合の補助についてどう考えるかということにつきましては、やはり財政の件、そして先ほど申し上げたように持続可能にしていくということも考慮した上で、私どもとしては今後慎重に判断していくものだというふうに考えております。…………………………………………………………………………………………… ○議長(平岩正光君) しばらく休憩いたします。 △午前十一時五十一分休憩 …………………………………………………………………………………………… △午後一時再開 ○副議長(加藤大博君) 休憩前に引き続き会議を開きます。…………………………………………………………………………………………… ○副議長(加藤大博君) 引き続き一般質問並びに議案に対する質疑を行います。四十番 伊藤正博君。    〔四十番 伊藤正博君登壇〕(拍手) ◆四十番(伊藤正博君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、本日は大きく三点についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 初めに、航空宇宙産業の人材育成・確保について商工労働部長にお尋ねをしてまいります。 これまで幾度となく、この本会議をはじめ、委員会などで航空宇宙産業の支援策についてお尋ねをし、いろいろな対策を講じていただいておりますけれども、まだまだ厳しい状況が残念ながら続いております。 これまでの繰り返しになりますけれども、新型コロナウイルス感染症の影響により、大きく減少した航空旅客需要は回復基調にはあると言われますけれども、残念ながら国際旅客需要はまだまだ厳しく、低水準に止まっており、航空会社の中・大型機の航空需要が抑制されております。 航空輸送の需要回復見通しによれば、二〇一九年レベルを超えるのは二〇二四年以降というふうに想定されております。航空機の需要は、航空輸送の需要と連動しているため、航空機産業の回復が長期化している現状にあると思います。航空輸送需要は、過去幾度の落ち込みに対して回復をしていることを踏まえ、今回も最終的には成長軌道に乗るものと言われておりますけれども、もうしばらくの間、航空機産業は耐えていくことが求められております。 航空機産業は、多品種少量生産であり、品質保証等による安全性の確保のため、高度な技術、技能を有する人材に支えられている部分が多く、このため雇用を守らなければ国内航空機産業が衰退するだけでなく、防衛産業や宇宙産業にも大きな影響を与えることにもなります。 しかし、残念ながら航空宇宙産業の中小企業では退職する方々が多くあり、好景気の自動車産業などに転職する人たちが後を絶たないとお聞きをしております。 一方、高校・専門学校を卒業して就職される人たちも少なく、ますます人材不足になっていることが現状であり、これが大きな課題となっております。 中部航空宇宙産業技術センターの企業へのアンケート調査によれば、各企業の売上げが二〇一七年から二〇一八年のピーク時に比して、依然として五割に満たない企業が半数あり、今期も三割の企業が赤字になると答えておられます。このため、半導体や医療等への新事業展開を図ることで経営を維持している企業もありますが、一方で雇用調整助成金を活用した休業や他産業への出向などで対応し、経営の維持と雇用をつなぎ留めている企業も少なくありません。 改めて申し上げますが、航空機産業は先端技術が集積され、安全保障に直結する戦略産業であります。 新型コロナの影響により、航空機産業は生産の縮小を余儀なくされております。需要の回復には四、五年と、他産業に比べ長期間を要すると予想もされております。特に、航空機産業のサプライチェーンを構成する企業は、その存続をかけて懸命に努力しておりますけれども、自助努力の範疇を超えた影響の拡大は災害レベルに匹敵すると指摘されております。 我が国の航空機産業が衰退するとなれば、今様々な議論が行われている防衛生産、技術基盤が弱体化し、日本の国民及び領域の防衛を主体的に実施することが困難となり、安全保障に影響を及ぼす懸念もあり、その存続に向け、各般の施策により、長期的な視点に立った展開が必要となっております。 これから、少し航空宇宙関連の中小企業の皆さんの声をお伝えしたいと思います。 航空宇宙産業はコロナのダメージが非常に大きく、加えて三菱スペースジェットの凍結という話などで、将来に向けたネガティブな印象が強く、学生の確保に苦慮をしている。在籍する社員にも、航空宇宙産業への未来に希望が持てずに離職していく人たちが増えている。現状は厳しい産業であるが、将来に向けた必要な国の産業であるということが感じられるような国・自治体の支援をぜひ要望したい。 コロナ禍全体の中で、周りの産業が回復していく中、民間航空機事業だけが取り残されている社会の中で、乖離が進むことが予見されております。将来の需要が明らかに見えている中で、どのように人材や技術の散逸を防ぎ、維持するかは重大な問題であるので、雇用に対する助成の継続をお願いしたいといった声をお聞きいたしました。 そこで、現在航空宇宙産業は厳しい経営環境にありますけれども、本格的な需要回復を見据え、人材の育成や確保に向け、どのような取組をされるのか、商工労働部長にお尋ねをいたします。 次に、来年三月に新たにリニューアルして五周年を迎える岐阜かかみがはら航空宇宙博物館、空宙博についてお尋ねをいたします。 一九九六年にかかみがはら航空宇宙博物館が開館して二十二年たった二〇一八年(平成三十年)三月二十四日に空宙博としてリニューアルオープンして、来春で五周年を迎えます。県と各務原市による共同事業として、約三年間の準備期間を経て、国内唯一の航空と宇宙の本格的な博物館としてパワーアップして誕生をいたしました。国内最多の実機展示、海外の拠点とも様々な連携を図る空宙博として、国内外から数多くの皆さんに御来場いただいております。 初年度は、僅か八日間で三万人を超え、予想以上のスタートをしました。ここ二、三年はコロナ感染症の影響もあり、若干入館者は減少傾向にありますが、令和元年度二十六万九千六十六人、令和二年度十万八千三百七十六人、令和三年度十三万千四百三十人、令和四年度は入館者数は少しずつではありますけれども戻りつつあります。 空宙博において、来場していただいたお客様、特に小・中学生には航空宇宙産業について興味を持っていただけると思います。さらに興味を持ってもらうことが、将来航空宇宙産業への就職に結びつくのではないでしょうか。さきにも述べましたが、人材確保に苦慮している航空宇宙産業の人材育成・確保のためにも、この空宙博の役割は非常に重要であります。 そこで、二点目の質問は、リニューアルから五年を迎える岐阜かかみがはら航空宇宙博物館において、小・中学生への航空宇宙産業の興味を喚起し、将来の就業の促進に向け、どのような取組をされるのか、これも商工労働部長にお尋ねをいたします。 次に、災害・避難カードの普及状況とさらなる普及に向けた取組について、危機管理部長にお尋ねをいたします。 幸いにも、今年の梅雨や台風シーズンには大きな災害はありませんでした。県民も台風十四号のような暴風警報発令、高齢者等避難の発令などはあっても、県民の生命や財産が守られたのではないかと感じております。また、万が一に備え、県や市町村をはじめとする職員の皆さんが災害に備え準備していただいていることに感謝いたします。 しかし、全国を見ますと、七月には宮城県や埼玉県で局地的豪雨により緊急安全確保が発令されるなど、各地で豪雨災害が発生しております。また、能登半島では最大震度六弱の地震が発生しており、いつどこで豪雨や地震による災害が発生するか分からない状況にあります。 私が住んでおります各務原市内でも、八月二十五日に岐阜市内で八月の一時間に降った雨としては最も多い雨量を観測した大雨により、各務原市内の一部世帯に対して避難指示が出されました。この雨の影響で、河川環境楽園内の新境川の護岸が約十メートルにわたって削られ、駐車場につながる橋の一部が崩れ落ちるなど被害がありました。幸いにも人命には被害はありませんでしたが、もう少し雨が降り続いていたらと思うと恐ろしく思います。 私の自宅に近い新境川においても、この大量の雨により、那加前洞新町周辺に避難指示が発令されましたが、避難所として指定されている中学校体育館に避難された方は数人のみでありました。大事には至らずほっとはしていますけれども、後ほどいろいろ申し上げますが、避難指示等が発令されても、実際に避難される人が少ないのが現状であります。 さて、お話ししたように、当県でも豪雨や地震などの自然災害はいつ発生するかもしれません。災害は時として想定を超えた力で襲ってまいります。しかし、常日頃から防災対策をしておくことで被害を少なくすることはできます。 災害による被害をできる限り少なくするためには、一人一人が自ら取り組む自助、地域や身近にいる人同士が助け合って取り組む共助、国や地方公共団体などが取り組む公助が重要だと言われております。 近年の気候変動で、自然災害が頻発化、激甚化しております。また、南海トラフ巨大地震などへの備えでも、またいまだに収まらない新型コロナ感染症対策に配慮した避難所運営も、自助、共助、公助の連携が欠かせません。特に、県民の防災力を強化するために、自分の身は自分で守るため、一人一人が取り組む自助が防災対策で大切なことだと考えております。 自助に取り組むためには、まず災害に備え、自分の家の安全対策をしておくとともに、家の外において地震や豪雨などに遭遇したときの身の安全の守り方を知っておくことが必要です。例えば、住んでいるところの危険性を知ること、どのタイミングで避難を開始するか、避難所までの経路について、家族を含めて確認しておくなどすることが、いざというときに役立つのではないかと思います。 総務省が行った洪水浸水想定区域内にお住まいの方の避難に関する意識調査によると、水害の危険性の認識についての質問に対して、調査対象千五十二人の約一割が浸水する区域ではない、約六割が危険性は理解しているが詳しくは分からないと自身が住んでいる地域の危険性を理解しておらず、水害の危険性が十分に認識されていないという結果であります。 水害のおそれがある際の避難準備及び避難を開始するきっかけに対する質問には、自宅から立ち退いて避難しようとすると思うと回答した人の五四・六%が避難指示、四三・七%が警察・消防からの呼びかけで避難を開始するとの回答となり、回答者の多くが高齢者であることを踏まえると、避難指示が出てから避難準備や移動を開始しては、結果として逃げ遅れる人が発生することが懸念されます。 水害時の避難行動について、約三割の回答者は水害の発生のおそれがあっても自宅にとどまると思うと回答をし、その理由はこれまで自宅が被害に遭ったことがない、自宅は安全だという回答であり、これまでの経験を上回る規模での水害が発生する例が多い中、過去の経験により避難をしないとの調査結果となり、住んでいる場所の危険性を認識していないということと、避難のタイミングを理解していないこと、水害時に実際に避難する人が少ないことが明らかになりました。 実際、当県においても平成三十年七月豪雨の際には、中小河川の氾濫により、河川災害や土砂災害により多くの県民が家屋浸水など甚大な被害を被りました。その際、二十三市町村において、延べ四十万人を超える住民に対して避難情報が発令されましたが、避難所への避難者は延べ九千六百人と約二%にとどまったそうであります。 避難が遅くなれば、助かる命も助かることができなくなるので、どのタイミングで避難をしなければならないのかを理解していない方や避難行動への負担感、過去の災害経験を基準とした災害に対する危険性の認識、自分は被害に遭わないという思い込み、正常性バイアス等を持っている方への避難行動を取るタイミングを逸することなく、適切な行動を取ることをさらに周知していくことが重要であると考えます。 岐阜県地域防災計画において、自らの身の安全は自ら守るのが防災の基本であり、県民はその自覚を持ち、食料・飲料水等の備蓄など、平時より災害に対する備えを心がけるとともに、災害時に自らの身の安全を守るよう行動することが重要であるため、災害から命を守る岐阜県民運動を展開し、県民の自助・共助意識の高揚を図るとされており、様々な施策を行っているとお聞きしております。 施策の一環として、県では災害・避難カードをウェブ上で作成でき、それを印刷して家族で確認できるサイトが開設されています。避難カードは、避難のタイミング、誰と避難する、避難に必要な時間など、実際に災害が発生するおそれがある際に、自身がどのような行動を取らなければならないかを記載するもので、大雨の際には浸水する地点が分かり、安全な経路で避難所まで行くことができるなど、非常に自助の高揚を図るためには有用なものであります。 県においても、この災害・避難カードを使った講座が開かれておりますが、この講座は地域やコミュニティーといった大人を対象とした講座であり、例えば子供さんと親さんが家庭で自助の意識を高めていく講座や、学校で学ぶ機会が増えることが、さらなる自助の意識の高揚につながるのではないかと考えます。 そこで、災害・避難カードの現在の普及状況と防災教育という視点からの災害・避難カードの普及を図る取組について、危機管理部長にお尋ねをいたします。 最後に、飲酒運転根絶に関する取組について、警察本部長にお尋ねをいたします。 先日、県は今年三度目となる交通死亡事故多発県内警報を発令しました。県内警報は、一か月の間に交通死者数が十人に達した場合などが発令の基準となりますが、年間に三回、多発県内警報を発令するのは異例なこととなります。県内では、昨年の年間死者数六十一人を超える十二月六日現在、六十七人の方が交通事故で亡くなっておられ、交通事故の死者数は人口十万人当たり三・四二人に上り、全国ワースト四位となっております。 このように、交通死亡事故が多発している中で、特に憂慮していることは、県内の人身交通事故に占める飲酒事故の割合が全国に比べて高い状況にあることです。昨年発生した人身交通事故二千九百十一件のうち、一・五五%が飲酒関連の事故で、全国の〇・七二%を上回っております。今年も十月末までで一・五五%と高水準で推移しており、全国ワースト三位となっております。 人身交通事故は、十年前の平成二十四年の一万三百五十二件に比べ、昨年は約七割減、うち飲酒事故は昨年四十五件と平成二十四年の八十件から四割強減りましたが、飲酒関連の事故が関係する割合は、最も高い沖縄から鳥取、山梨に次いで岐阜県はワースト四位になっております。車社会と言われる地方都市ほど数値が高い傾向があり、岐阜県は平成二十六年以降、毎年全国の数値を上回っています。 飲酒運転に対する罰則は、平成十四年、平成十七年と平成二十一年に厳罰化され、現在は酒気帯び運転では三年以下の懲役または五十万円以下の罰金、違反点数は十五点または十三点と厳しい処分がなされるようになりました。 また、平成十一年に東名高速道路で飲酒運転のトラックが普通乗用車に追突し、幼い姉妹が事故による火災によってお亡くなりになった事故などを契機に、平成十三年に危険運転致死傷罪が制定され、その後、平成十八年に福岡県で発生した飲酒運転をした市役所職員が運転する乗用車が追突し、追突された乗用車が博多湾に転落して同乗していた三児が亡くなるという痛ましい事故を契機に、平成十九年には自動車運転過失致死傷罪が制定されるなど、飲酒に絡む交通事故についても厳罰化されました。 このような厳罰化に加え、社会の機運も飲酒運転は犯罪であるとの認識が高まっているところでありますが、昨年は千葉県内において飲酒運転のトラックが下校中の小学生の列に突っ込み、児童二人が死亡し、三人が重傷を負うという痛ましい事故が発生するなど、全国各地で飲酒運転が関係する事故が多発している現状にあり、飲酒に絡む事故は決して減ってはいないと感じております。 また、令和三年警察白書によると、飲酒関係の違反の検挙件数は全国で二万二千四百五十八件となっています。このように、警察に検挙される人は氷山の一角ですので、実際にはもっと多くの人が飲酒運転をしていると考えられます。 県警では、今年六月から七月を飲酒運転等取締り強化期間と位置づけ、期間中の七月十五日に県下各地の幹線道路十九か所で一斉検問を行うなど、飲酒取締りを強化しているとお聞きをいたしました。 また、今年から飲酒運転対策としてホームページに飲酒運転根絶情報コーナーを開設し、広く県民から飲酒運転が疑われるドライバーの情報を募り、取締りに生かす活動を新たに取り入れられたとお伺いをいたしました。 飲酒運転をしている、または飲酒運転をすることを分かっていながらお酒を提供している店を知っているなどの情報をホームページ上に書き込めるそうで、この情報を基に警察が取締りを行うことができるので、非常に有効なものではないかと思います。 このような取締りも重要ですが、飲酒運転を根絶していくためには、運転者だけではなく、お酒を提供する飲食店、一緒に同乗する者や同伴者、家族などが飲酒運転を絶対にしない、させない、許さないという社会全体で飲酒運転を撲滅させるための機運をより一層高めていく必要もあると思います。 これからの時期は、忘年会など飲酒の機会が増える時期となります。悲惨な交通事故が発生しないよう、県警としてあらゆる手段、方法で、交通事故抑止対策、特に飲酒運転根絶対策を推進していただきたいと思います。 そこで、警察本部長にお尋ねします。 飲酒運転根絶情報コーナーの運用状況を含めた年末に向けての飲酒運転根絶対策についてお伺いをいたします。 以上で質問を終わります。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○副議長(加藤大博君) 商工労働部長 崎浦良典君。    〔商工労働部長 崎浦良典君登壇〕 ◎商工労働部長(崎浦良典君) 航空宇宙産業の人材育成・確保について、二点質問いただきました。 初めに、本格的な需要回復を見据えた人材の育成・確保に向けた取組についてお答えします。 航空宇宙産業において、人材育成・確保が喫緊の課題であることは様々な機会に伺っており、本格的な需要回復までに時間を要する中、短期、長期にわたる対策が必要であると考えております。 まず、即戦力の人材育成・確保として、岐阜大学の航空宇宙生産技術開発センターにおいて、大学生の専門人材を育成しています。一連の製造工程を学ぶ国内唯一のカリキュラムにより、昨年三月から県内企業の就職につながっているところです。 また、高校生については、工業科生徒を対象とした航空機製造現場への見学を三年ぶりに再開いたしました。今後は普通科生徒にも対象を広げ、高校生の人材確保につなげてまいります。 さらに、将来の人材育成に向けて、工業科生徒が人工衛星の設計から製作・運用までを行うぎふハイスクールサットプロジェクトを二年後の衛星運用を目指し、今年度スタートしました。今後とも、長期的な成長が見込まれる航空宇宙産業の将来性をPRし、人材育成と確保に積極的に取り組んでまいります。 次に、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館における将来の就業に向けた小・中学生への興味を喚起する取組についてお答えします。 空宙博では、リニューアル以降、小・中学生の皆さんに空・宇宙への夢と挑戦やものづくりの魅力を伝える取組に力を入れてまいりました。これまでに紙飛行機や水ロケット製作教室、小・中学校の課外活動など、約五万人の子供たちに体験いただいております。 そして、来年三月のリニューアル五周年イベントでは、全長約二十メートルで大迫力の「F4ファントム」を新たに展示するとともに、来年月面着陸に挑戦する日本の最新鋭実証機スリムの企画展、カレーや赤飯といった宇宙日本食の試食会など、子供たちの航空宇宙への興味を一層高める様々な催しを計画しております。 また、アメリカ・スミソニアン航空宇宙博物館やフランス・ル・ブルジェ航空宇宙博物館との本格的な交流を再開してまいります。折しも今や世界中で宇宙開発が活発に行われており、こうした世界の最新の航空宇宙の魅力を伝えるとともに、地元企業と連携したものづくりの魅力を体感できる企画を強化し、将来の航空宇宙産業への就業へとつなげてまいりたいと考えております。 ○副議長(加藤大博君) 危機管理部長 内木 禎君。    〔危機管理部長 内木 禎君登壇〕 ◎危機管理部長(内木禎君) 災害・避難カードの普及状況とさらなる普及に向けた取組についてお答えします。 災害・避難カードについては、地域の講習会や自治会において、これまでに三十市町、約七千六百名の皆様に作成いただいております。また、本年度からはスマートフォン等を活用し、手軽に作成できるデジタル版も開始し、約三千百件の御利用をいただいているところです。 加えて、この十月からは、清流の国ぎふ防災・減災センターとも連携し、小中高等学校で特別講座を開催しており、年度内には約千八百名の子供たちに災害・避難カードを作成いただく予定です。今後は、オンラインによる動画配信も含め、講座の機会を充実するとともに、防災教育を担う教員を対象に活用研修を行うなど、教育委員会とも連携し、学校での取組を広げてまいります。 また、県広域防災センターで行う防災教育フェアや県内各地の大型商業施設で行う防災キャラバンにおいて、災害・避難カードを親子で話し合いながら作成いただく講座を開催するなど、様々な機会を捉えて、さらなる普及に取り組んでまいります。 ○副議長(加藤大博君) 警察本部長 加藤伸宏君。    〔警察本部長 加藤伸宏君登壇〕 ◎警察本部長(加藤伸宏君) 飲酒運転根絶対策についてお答えします。 初めに、県警察ホームページに設けた飲酒運転根絶情報コーナーの運用状況ですが、本年六月の運用開始以降、十一月末までの半年間に百一件の情報が寄せられ、検挙に至った例もございます。 次に、年末年始に向けた飲酒運転対策ですが、近時の飲酒運転の発生状況にも鑑み、取締り及び広報啓発の両面に力を入れております。 まず、取締りにおいては、その効果を高めるべく、県下一斉による大規模検問とミニ検問を織り交ぜて重層的に実施するとともに、県民から寄せられた情報や飲酒運転を行った者から把握した飲酒先、経路等の分析を踏まえ、重点的にも実施しております。 一方、広報啓発においては、各種の媒体や機会を利用し、飲酒運転の危険性や事故実態等をドライバー一般に知らせて安易に飲酒運転をする気の緩みを戒めつつ、飲酒運転を回避するため公共交通機関の利用を勧めるなどしております。 また、酒類販売業、酒類提供飲食業等に対して飲酒運転を防止するための取組を促しております。この先、十一日からの年末の交通安全県民運動期間中には、岐阜県飲食組合とともに各店舗を訪問して飲酒運転撲滅を呼びかける活動を実施いたします。 これらの諸活動を通じて、飲酒運転根絶に向け努めてまいります。 ○副議長(加藤大博君) 三十四番 野島征夫君。    〔三十四番 野島征夫君登壇〕(拍手) ◆三十四番(野島征夫君) 議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、今回は四項目、順次質問をさせていただきます。 まず最初に、中部圏知事会議の成果と今後の中部圏の連携強化についてお伺いいたします。 昭和二十年代後半から三十年代には、戦後の混乱期を脱した日本が自立して目覚ましい経済成長を遂げた時期でありました。昭和四十一年六月に中部圏開発整備法が制定されました。この背景には、昭和三十九年三月に日本政府により招請されたワイズマン国連調査団の勧告にあると言われております。 ワイズマン国連調査団一行は、中京圏をはじめとする各地域の広域的かつ総合的な開発整備の技術調査のため、国連技術援助局から派遣されたものであったようです。同調査団は、昭和三十九年四月、中間報告「中部圏地域計画調査に関するメモ」を発表し、関東・近畿両圏をつなぐ強力な力、それに伊勢湾と北陸を結ぶ新しい流れ、これがこの地域の将来の開発の骨格でなければならないとして、中部圏という言葉を初めて使い、その基本的な方向を示したことで、当時画期的な出来事であったようであります。 スケールの大きいこの発想は、中京圏という狭い枠にとらわれがちだった当時の政財界、地方自治体に強烈なインパクトを与え、太平洋と日本海を結びつけるために東海と北陸を一体化した視点で見詰めることの大切さ、伊勢湾を単位とした高速交通体系の整備の必要性などを力説した調査団の報告は、将来を見通した極めて重要な存在感があったものと思われます。 また、当時話題に上っていた愛知、岐阜、三重による三県合併は是非を結論づけることはできない。しかし、圏域発展の方向として思い切って北陸を目指す考え方があってもよいのではないかと、当時としては刺激的な提言を繰り返し、大きな反響を呼んだそうであります。物の見方が実にグローバルで、まさかそんなと思われるような提言がぽんぽんと飛び出したそうで、とにかくワイズマンという方はスケールの大きな見方をされる人であったそうであります。これを契機として、九県一市を一体とした開発整備への意欲、動きが一気に高まっていったとされています。 そして、九県一市の首長及び議会議長で構成する協議会が中心となり、法制定の趣意書を国へ提案、急速に進展し、中部九県選出国会議員による議員立法で国会へ法案を提出することになり、昭和四十一年六月に中部圏開発整備法が成立いたしました。 法の趣旨、目的は、国土の中央にあり、産業経済等において重要な地位を占めているにふさわしい中部圏の建設とその均衡ある発展を図ることを目的に、さらに開発整備の究極の目的は社会福祉の向上にあることを明確にしていることはすばらしいと思います。 今からおよそ六十年ほど前に人々の命を守ること、つまり健康と幸せの必要性、大切さを言っていること、さらに法に基づいた地方協議会が設置され、同整備計画が策定され、その中身は高速道路、自動車道、空港、港湾、鉄道、通信、産業基盤整備、環境対策、防災対策、さらに観光面等の広域ネットワークの形成等、まさにスケールの大きな計画であったと思います。 この中部圏開発整備計画の推進には、中部圏開発整備地方協議会が積極的に強力なリーダーシップを発揮され、今日の本県をはじめ、中部圏の開発整備が進み、多大な成果を上げていることは言うまでもなく、皆様先刻御承知のとおりであります。 また、この協議会とは別の枠組みではありますが、この協議会と両輪で中部圏の発展を目指す組織として中部圏知事会議があります。この知事会議においては、中部圏開発整備計画の内容を含め、より広範にわたって中部圏における課題について議論されています。 そこで、中部圏知事会の中心的な役割を果たしてみえる古田知事さんにお伺いいたします。 現下の社会経済情勢は、コロナ禍の影響が長期化する中、大きく変容していくとも言われています。このような中、去る十月二十一日、福井市で中部圏知事会議が開催されました。知事会議で議論された圏域を取り巻く諸情勢と課題、会議の成果は何か、お聞かせください。また、今後岐阜県として中部圏の連携をどのように推進していかれるのか、お聞かせください。 次に、リニア中央新幹線の早期建設に向けた取組についてお伺いいたします。 去る七月二十五日、中津川市において、リニア中央新幹線建設促進岐阜県期成同盟会の定期総会が開催されました。会場は、官民多くの参加者で期待と熱気にあふれていました。 国家的な大プロジェクトであるリニア中央新幹線は、構想から計画、工事着工と長年の歳月を経ており、本県にとって重要なプロジェクトであり、県民の関心も高いと思います。 岐阜県としても、他の沿線都府県に先駆けて、平成二十六年に県リニア中央新幹線活用戦略を策定し、重要プロジェクトとして取り組んでおられます。その活用戦略については、策定から八年余りが経過し、社会情勢が変化していることから、昨年度から改定に着手しており、本年四月には戦略の改定方針が決定され、今年度中に改定完了予定と聞いております。 改定の具体的な内容に関しては、本定例会の一般質問において、我が会派、県政自民クラブの代表質問において藤墳議員が質問され、その具体的な中身は既に明らかにされたことから、今回の私の一般質問においてその点をお伺いすることはいたしませんが、今後とも早期全線整備に向け、引き続きオール岐阜体制で臨んでいただきたいと思います。 開通すれば、東京、名古屋、大阪の三大都市圏四百三十八キロが一時間程度で結ばれ、そのインパクトは単なる経済波及効果にとどまらず、国土の構造を変え、日本の国際競争力を高め、日本人のライフスタイルをも変えるきっかけになることが期待されます。 私の思いで誠に申し訳ありませんが、最速で東京-岐阜県駅間が約三十分の魅力を思うとき、企業の本社機能の移転が期待でき、また岐阜県駅ができる千旦林エリアをベッドタウンとして開発し、高層マンションを建設すれば、働き手の二地域居住も可能となり、つまり東京一極集中が是正される可能性を秘めているのではないかと思います。 また、中間駅の活用により、これまで大都市部でのみ立地可能であった都市機能が沿線地域においても立地する可能性が高まり、これまた人々のライフスタイルにも変化をもたらすなど、様々な波及効果を生み、暮らしの質の向上や地域経済の活性化に大きく寄与するものと思われます。 しかし、多くの課題を抱えていることも事実であり、静岡工区の未着工問題をはじめ、多量の発生土の処分、トンネルが多いことから工事の安全対策、騒音や振動、発生土の運搬車両に係る環境対策など、課題は山積しております。 リニア中央新幹線は、岐阜県にとっても未来を開くビッグプロジェクトであり、事業主体であるJR東海をはじめ、建設促進期成同盟会など、早期開業に向けてこれまでの多くの関係者の御努力、御尽力に深く感謝を申し上げるものでありますが、現在進捗している工事を着実に進めていただき、二〇二七年の開業予定に向け、早期整備を図ることが喫緊の課題であると考えます。 そこで、知事さんにお伺いいたします。 リニア中央新幹線の早期建設に向けて、県としてこれまでどのように取り組んでおり、また今後どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。 次に、物価高騰・資材の価格上昇を踏まえた本県の公共事業への影響と対策についてお伺いいたします。 このところ、毎日のように円安による物価高騰や資材価格の上昇に関する報道を目にいたします。政府も、この十月に電気料金の負担を緩和する支援制度などを盛り込んだ総合経済対策を閣議決定するなど、物価高騰への対策を進めています。 こうした物価高騰は、我々の生活に直接大きな影響を与えておりますが、間接的にも様々な影響が生じています。その一つが公共事業でありまして、現在実施中の事業が遅れないかと大変心配いたしております。 物価高騰は様々な分野に及んでおり、建設・建築工事に使用する材料や機械の価格も大きく上昇しております。そのため、道路工事や治山工事、建物の建築といった様々な工事の費用が上がり、国や県が発注する工事の価格も大きく上昇しているようであります。特に、債務負担行為により発注している年度をまたぐ工事の事業費が増額となるのではないかと心配いたしています。 お聞きしたところ、例えば二車線の一般的な道路の舗装を打ち換える工事において、アスファルト合材の価格高騰や施工機械の燃料費上昇等により、四年前に五百メートルできた工事が今では四百三十メートルしかできないということであります。 また、建物も同様で、二〇二五年に予定されている大阪・関西万博では、大阪府などが整備するパビリオンの建設費用が当初見込みの一・五倍に膨らむなど、全国的に特に大規模なプロジェクトほど大きな影響を受けているようであります。 幸い、本県の大規模プロジェクトの筆頭である新県庁舎は、その契約・着工時期が早かったことから、物価高騰の影響はそれほど受けていないとのことではありますが、それでも県内の大規模なプロジェクトはまだほかにもあり、今後の影響が心配されております。 特に、道路や河川、ダムなどの施設は、住民の命と暮らしに直結する非常に重要な役割を果たすものであり、毎年のように災害が発生する中で、住民も早期整備を強く望んでおります。 なお、私の地元、郡上市では、県により内ケ谷ダムの整備が進められておりますが、物価上昇も考慮して、現在事業費の見直しが進められていると聞いております。こうしたビッグプロジェクトは別としても、工事費が上昇する中で、毎年の予算を物価上昇に合わせて大きく増やすことは難しいでしょうから、結果的に事業の完成が遅れていくのではないかと考えます。 住民の安全・安心と財政面、この二つの問題を同時に解決することは大変難しいとは思いますが、工期を延期して完成が遅れていくことは、県土の将来を考えると得策ではないのではないかとも思います。財政面での制約もあるかと思いますが、ぜひ効率的・効果的な事業推進を図っていただきたいと思います。 そこで、こうした現状を踏まえ、県土整備部長さんにお伺いいたします。 昨年度から今年度にかけて、県土整備部所管事業で発注した工事のうち、物価高騰や資材価格の上昇等を受けて影響が出ている工事への対応状況と新年度における国の公共事業関係予算の確保に向けた取組についてお伺いいたします。 財政面で非常に厳しい中に資材高騰が重なり、整備を担当する県土整備部には難しいかじ取りが迫られているわけですが、ぜひ住民の安全・安心を最優先に考え、積極的に事業を推進する方針で取り組んでいただきたいと思います。 次に、新・岐阜県都市公園活性化基本戦略の今後の展開についてお伺いします。 都市公園は、遊び場、環境保全、防災拠点としても重要な社会基盤であるとともに、集客力の高い観光施設です。岐阜県の県営都市公園、養老公園、岐阜県百年公園、各務原公園、世界淡水魚園、旧平成記念公園日本昭和村、旧花フェスタ記念公園につきましては、いずれも開園後、相当な年数が経過し、施設の老朽化などによる魅力の低下が課題となっておりました。 このような状況の中、県では平成二十七年七月に都市公園整備局を設置し、県営都市公園の魅力向上と来園者の快適な利用環境の確保のため、平成二十八年度に岐阜県都市公園活性化基本戦略を策定されました。 さらに、この戦略の総括を踏まえ、令和三年度から令和七年度を期間とする新・岐阜県都市公園活性化基本戦略を策定されたところであります。 戦略において、六か所の県営都市公園それぞれの特徴を踏まえたコンセプトを設定の上、重点的な展開方針が示されており、これに基づいて計画的な整備・改修、円滑な管理運営が行われております。 整備・改修については、戦略がスタートした平成二十八年度から令和三年度までの六か年で、国の補助も得ながら約百六億円の事業費をかけて進めてこられました。その結果、来園者は都市公園整備局が設置される前の平成二十六年度の六百二十六万人から、コロナ禍前のピークとなる令和元年度の七百七十四万人とおよそ一・二四倍、百四十八万人もの増加という大きな成果を上げており、触れ合いと憩いの場として、子供から高齢者まで年間を通じて親しまれております。 これまでの取組の一端を御紹介しますと、ぎふ清流里山公園では、水遊び広場や遊具の充実によるにぎわいの創出、世界ブランドのホテル誘致の実現などが進められました。ぎふワールド・ローズガーデンでは、世界最大級のバラ園にふさわしいウエルカムガーデンなどの整備や大型遊具の設置などにより魅力向上が図られています。このほか、養老公園での子供の成長段階に対応した遊具の整備や、東海地区でも有数の集客スポットである世界淡水魚園での県産品の販売・PR機能などの充実、岐阜県百年公園でのアスレチックコースの導入、県博物館や県立森林文化アカデミーとの連携強化、各務原公園での水遊び場の整備など、それぞれの公園で魅力向上の取組を進められたところであります。 さらには、この十月十五日に、ぎふワールド・ローズガーデンではモロッコの材料及び伝統技術で美しく装飾されたモロッコガーデンが新たにオープンしました。私も、このモロッコガーデンのオープニングセレモニーに出席いたしました。雲一つない晴天の下、寛仁親王妃信子殿下の御臨席も賜り、本物のモロッコガーデンの前で開催されたセレモニーはすばらしく、深く感動いたしました。 また、同時に開催されたモロッコヴィレッジでは、モロッコ王国の皆様によるすばらしい手工芸や音楽演奏が披露され、はるかモロッコに思いをはせ、大いに盛り上がっておりました。改めて、ローズガーデンにこれまでにない新たな魅力が加わったと実感いたしました。 引き続き、戦略の最終年度である令和七年度に向けて、これからも様々な取組が展開され、数多くの方々に県営都市公園を楽しんでいただき、さらなるにぎわいが創出されていくものと大いに期待をいたしております。 そこで、都市公園整備局長さんにお伺いいたします。 活性化基本戦略に基づき、六か所の県営公園を整備されてきましたが、今後のさらなる魅力向上のための展開方針についてお伺いいたします。 さて、かねてより着工していた立派なすばらしい新県庁舎がいよいよ完成し、今月十六日に竣工式、来年一月四日に開庁する運びとなりました。 建築には、県産ヒノキやタイル、本美濃紙を使った照明や飛騨家具等を庁内各所に活用されるほか、新県庁舎と新議会棟の正面の銘板には私の地元、郡上市白鳥町の阿多岐ダムの近くで採取された石材が使われ、石屋さんも一世一代の仕事であり、大変名誉なことであると喜んでおみえになりました。新県庁舎は、ふるさとに誇りと自信、愛着を持つことができ、恐らく県民が圧倒、魅了されることと思います。 また、十一月三十日には、郡上踊と寒水の掛踊がユネスコの無形文化遺産に登録されることになりました。世界からの吉報であり、大変うれしく、よかったと思います。 伝統文化の担い手不足に悩む地元にとって、保存継承や担い手の取組だけでなく、国内外の観光交流に結びつけること、つまり二〇二七年に開業を目指しているリニア中央新幹線の活用により、世界遺産の白川郷合掌造り集落に匹敵するくらいの入込客を郡上踊も目指す必要があるのではと感じています。それは、今国へ強く要望している濃飛横断自動車道路の郡上市内の堀越峠工区をぜひ事業化し、早期に開通することにより可能となるのです。つまり、無形文化遺産決定の吉報を観光交流のストック効果として国へ大々的にアピールしていくことが、今の時期に大切かと思います。 最後に、新県庁舎の完成を機に、新しい思いで引き続き県民の幸せと県政発展のため、知事さんを先頭に執行部一丸となって、さらに積極的に取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○副議長(加藤大博君) 知事 古田 肇君。    〔知事 古田 肇君登壇〕 ◎知事(古田肇君) 二点御質問がございました。 まず、中部圏知事会議の成果と今後の中部圏の連携強化についてであります。 御指摘がありましたとおり、中部圏開発整備地方協議会は、中部圏の開発と整備の推進を目的に、法に基づいた組織として発足いたしました。 中部圏知事会議は、これに併せて、昭和四十二年に東海北陸の六県が中心となっていた東海北陸地方知事会を改組し、中部九県の知事と名古屋市長が自由な立場から中部圏の連携を図ることを目的に発足したものであります。 三年ぶりの対面開催となりました今年度の会議では、人口減少・少子高齢化の進行により、中部圏の労働力が二〇五〇年には二百二十九万人不足するといった課題を踏まえ、持続的な成長に向けて、人への投資をテーマに協議が行われました。 私からは、本県の主要な成長産業である航空宇宙産業における小・中学生、高校生、大学生、就業者に対する一貫した切れ目のない人材育成、さらにはソフトピアジャパンやIAMASなどの拠点を活用したデジタル人材の育成の取組を紹介いたしました。 協議の結果、次なる成長の機会を生み出す人への投資を推進するための共同宣言が取りまとめられ、成長分野などで活躍する人づくり、新たなチャレンジや学びを後押しする環境づくり、多様な人が活躍できる環境づくりを推進していくことで一致したところであります。 このほか、会議では現下の最重要課題である新型コロナ対策に関する国への提言に加え、緊急提言として、明治用水頭首工の漏水、あるいは川島大橋の橋脚沈下などを踏まえた社会インフラの老朽化対策に関する提言や、本年八月の大雨被害を受けた防災対策に関する提言が取りまとめられました。これらの提言につきましては、先月八日に岸田総理に直接要請を行ったところでありますが、このたび成立した国の第二次補正予算では、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策関連予算の所要額が計上されるなど、一定の成果を収めているというように思っております。 このように、中部圏知事会議としては有効な活動を展開しているところですが、今後とも新型コロナ対策、産業振興、広域周遊観光など、様々な分野での県境を越えた連携が重要となってまいります。 特に中部圏では、中部縦貫自動車道の福井県内全通、東海環状自動車道西回り区間の開通、北陸新幹線の敦賀延伸などによりネットワーク化が大きく進みつつあります。さらには、リニア中央新幹線の開業と、これが濃飛横断自動車道や東海北陸自動車道につながることにより、首都圏からの時間距離が劇的に短縮されます。これらによって、日本の真ん中にあって東西と南北がクロスする新たなエリアの創出が期待されます。まさに、東西では首都圏と近畿圏、南北では太平洋側と日本海側を結ぶ、本州のロータリーとして発展していく大きなポテンシャルがあります。 議員御指摘のとおり、半世紀以上も前にワイズマン氏を代表とする国連調査団は、中部圏は関東・近畿両圏をつなぐ強力な力、それに伊勢湾と北陸を結ぶ新しい流れ、これがこの地域の将来の開発の骨格でなければならないと指摘しております。 これは、現代の我々が今具体化しつつあることそのものであり、その炯眼に驚きますとともに、議員のこの場での御丁寧な御紹介に感謝申し上げます。 こうした中、中部圏の真ん中に位置する本県が果たす役割はますます高まっていくものと認識しております。 このため、本県としては、中部圏知事会議、東海三県二市知事市長会議、東海三県知事会議の積極的活用はもちろん、相対での隣県知事懇談会による具体策の実施など、多角的かつ緊密な連携の構築を推進してまいります。 次に、リニア中央新幹線の早期建設に向けた取組についてでございます。 ただいま申し上げましたとおり、リニア中央新幹線は道路ネットワークの形成と相まって、日本の真ん中での大交流を生み出し、今後の本県の発展に大きく寄与する重要な交通基盤と認識しております。 また、豊かな自然環境を生かした新たな産業の創出などの取組と併せて、我が国の長年の課題である東京一極集中を是正し、地方への人や企業の分散を促進する未来を開くビッグプロジェクトでもあります。 このため、県として円滑な事業推進と早期実現という方針でこのプロジェクトに対処しているところでございます。 県内のリニア工事は、これまでのところ十五工区、約五十五キロのうち、距離にして約九〇%を占める十三工区で契約済みとなっており、今後各地で工事が本格的に進捗してまいります。 このような中、リニアの早期建設に向けては、工事の事故防止や環境対策に係る地元の懸念や不安への対応が不可欠と考えております。 このため、昨年十月、瀬戸トンネル工事において死亡事故が発生した際には、JR東海に対して、事故原因の徹底的な検証と再発防止策を取りまとめるまでの間、県内の全てのトンネル工事を中断するよう要請しました。その後、JR東海の報告に対し、専門家の意見を聴取した上で知事意見書、さらには徹底事項を提示いたしました。その上で、今年五月、約六か月半ぶりに工事が再開されたわけであります。 急がば回れと言われるように、止めるべきときは止め、足元を見詰め直した上で工事を再開することが、長い目で見ればリニアの早期建設につながるという考え方の下で対処したわけであります。 また、要対策土を含む建設発生土の適正な処理、騒音や振動への対策、自然環境保全などの環境対策上の課題については、工事の進捗に伴い、様々に発生することが予想されます。 このため、まずはJR東海には、沿線市町や住民の懸念や不安に対し、具体的な対策を含めて丁寧に対応していただく必要があります。 これに対して、県としては専門家の審査意見を聴取しつつ、必要に応じて適切な対応を求めてまいります。 先ほど、急がば回れと申し上げましたが、一歩一歩の着実で丁寧な対応の積み重ねが結果としてリニアの早期建設につながるという考えで、今後とも取り組んでまいります。 以上で野島先生への答弁を終えるわけでありますが、再質問をいただかない限り、これが私のこの議場での最後の答弁となります。 思い起こせば、平成十七年三月八日の初めの一歩答弁以来、この場への登壇は実に千百二十五回に及びます。そして、答弁本数は二千本を超えております。振り返りますと、平成十八年九月議会では、不正資金問題、県政再生プログラムへの質問、再質問が集中し、当時は現在のような分割方式が採用されていなかったにもかかわらず、二十三回登壇いたしました。 平成二十三年三月十一日の東日本大震災時には、議事進行中に突如天井のシャンデリアが大きく揺れたこと、またその揺れが長く続いたこと。車椅子で臨んだ平成二十三年九月議会では、格別の御配慮を賜り、着座のまま自席で答弁させていただいたこと。昨年一月十一日には休日であり、かつ知事選の選挙期間中にもかかわらず、緊急コロナ対策補正予算審議のために臨時会を招集させていただいたことなど、この議場には多くの思い出が詰まっております。 十八年間にわたって、数々の思い出をつくってくれたこの議場と議員、職員の皆様に深く感謝しつつ、答弁を終わります。 ○副議長(加藤大博君) 県土整備部長 大野真義君。    〔県土整備部長 大野真義君登壇〕 ◎県土整備部長(大野真義君) 物価高騰や資材価格の上昇の影響を受けている工事への対応状況と新年度の国の公共事業関係予算の確保に向けた取組についてお答えいたします。 県工事については、資材単価の改定の頻度を今月から段階的に高めて、資材価格の上昇を速やかに反映した、より適切な予定価格の算出に努めております。また、工事発注後の物価高騰や資材価格の上昇については、受注者からの請求に応じて、一定の条件の下、請負代金を変更しております。 今年度は、十一月末現在で昨年度の六件を上回る十二件の変更を行ったほか、現在十五件の工事で協議を進めています。 あわせて、ICT技術を活用した施工を積極的に進めるなど、将来を見据えたコスト縮減や生産性の向上を図っております。 一方、国の公共事業予算については、令和四年度第二次補正予算が先日成立し、新年度予算と併せて、必要な予算を確保するよう進められています。 県としては、こうした補正予算を最大限活用し、事業量の確保に努めるとともに、国に対して新年度予算の安定的な確保に向け、あらゆる機会を捉えて強く要望してまいります。 ○副議長(加藤大博君) 都市公園整備局長 舟久保 敏君。    〔都市建築部都市公園整備局長 舟久保 敏君登壇〕 ◎都市建築部都市公園整備局長(舟久保敏君) 新・岐阜県都市公園活性化基本戦略の今後の展開についての御質問にお答えいたします。 県営公園につきまして、新戦略では、来園者に岐阜の魅力を体感いただくゲートウエー、玄関口としての機能を強化することとしており、施設整備と併せた管理運営の充実に取り組んでおります。 具体的には、県産食材を用いた新メニューの開発による食体験、各公園の自然等の特徴を生かしたアウトドア体験の提供、季節の花々に親しむイベントの開催等を行っており、引き続き来園者に楽しんでいただける工夫を図ってまいります。 また、コロナ禍で注目されました安心に過ごせる屋外空間として多くの方の心身の健康づくりの場となるよう、バリアフリー化とともに、オープンテラスの充実やウオーキング活動の拡充等も進めてまいります。 さらに、公園への来訪のみならず、観光情報の発信、周遊ツアーの企画提案等を通じて、周辺の魅力ある地域資源との連携も強化し、令和七年度に開催予定の全国都市緑化フェアにおきまして、一連の取組の成果と本県の魅力を十分に発信できるよう取り組んでまいります。 ○副議長(加藤大博君) 三十五番 伊藤秀光君。    〔三十五番 伊藤秀光君登壇〕(拍手) ◆三十五番(伊藤秀光君) ただいま議長より発言のお許しをいただきましたので、通告に従い、二項目についてお伺いします。 質問に先立ち、一言申し上げます。ただいま古田知事からも、この議場での最後ということで、熱い思い出の話を今聞かせていただきました。私は、この議会棟の議場に初めて席をいただいたのが二〇〇三年で、以来、この議会棟にはこれまで約十九年間、約百回の議会においてお世話になりました。ありがとうございました。そして、九月の議会では初めてトップバッターとして、県政自民クラブの代表質問を、また今回で計四十五回目となる質問、一般質問最終日の最後の質問となる不思議な御縁、巡り合わせの機会をいただき、感謝申し上げます。今回の質問も、原稿を書くうちに不思議な巡り合わせ、つながり、御縁を感じた質問となりました。 それでは初めに、サテライトオフィスの誘致の現状と今後の取組についてお伺いいたします。 二〇二〇年一月から三年近く続く新型コロナウイルス感染症の拡大によって、テレワークの急速な普及が進み、働き方が会社に出社するだけでなく、自宅でのテレワークを導入する会社も多くなりました。ただ自宅での仕事の効率には疑問も残ります。そのため、最近では人口が集中する都市部のオフィスから、感染リスクが低く自然環境に恵まれた地方のオフィスへと分散する動きが進んでいます。そして、余暇を楽しみながら仕事をする働き方を総称してワーク(仕事)、バケーション(休暇)の造語のワーケーションという言葉もよく耳にするようになりました。 最近、特にテレワークに対応して、豊かな自然環境や都市部からの好アクセス、さらにはリラックスできる室内環境を整備したサテライトオフィスやコワーキングスペースを設置、運営しようとする動きが地方の各地で始まっています。 ワーケーションを少し調べてみますと、五つのタイプに分かれます。 一つ目は、休暇型で、有給休暇を利用してリゾートや観光地等での旅行中に一部の時間を利用してテレワークを行うタイプ。二つ目が、地域課題解決型で、観光地や地域に出向いて地域関係者との交流を通じて地域課題の解決策を共に考えて、勤務時間外はその土地での観光や生活を楽しむタイプ。三つ目は合宿型で、地方の会議室や自然豊かな中で、通常勤務地とは異なる場所で職場のメンバーと議論を交わすこと、そして勤務時間外はその土地での観光や生活を楽しむタイプ。四つ目は、サテライトオフィス型で会社が準備したサテライトオフィスやコワーキングスペースで勤務して、勤務時間外はその土地での観光や生活を楽しむタイプ。五つ目がプレジャー型で、出張による地方での会議や研修、打合せの前後に有給休暇を取得して出張先で旅行を楽しむタイプ。この五つです。 今回は、この五つのタイプのうち、四つ目のサテライトオフィス型について質問をさせていただきます。 私は、この質問に先立ち、先進地の視察をしたいと考えていましたら、不思議な巡り合わせでワーケーションの聖地と言われる和歌山県白浜町で行われたワーケーション・コレクティブインパクト二〇二二in和歌山に参加のチャンスをいただきました。議場に研修スケジュール表も配付させていただきました。(資料を示す) 参加人数は、現地参加百五十人とオンライン参加四百人の計五百五十人。現地参加者の方々の職種は、大企業やベンチャー企業などの民間企業約四十人、国・地方公務員が約八十人、個人事業者が約三十人の計百五十人で、その研修スケジュールの二日目の午前中は、最も活用されている現地のサテライトオフィス四か所六社を視察し、説明を受け、質疑応答がありました。 特に私が気に入ったのは、四か所のうちの一か所目と四か所目の二つのオフィスです。 一つ目では、企業の空き保養所を白浜町がリノベーションした施設の二部屋をNECの子会社が活用してみえました。こちらでは、白浜エンジンというキーワードで白浜町の地域創生に役立てようと頑張ってみえる方から、一年後に白浜町がどのように変わっているか見に来てくださいとの力強い説明がありました。NECと言えば、家電・コンピューターメーカーかと思っていましたが、驚きました。 最後の四か所目は、県と町から建設補助金をいただいて建てられた「オフィスクラウド九」という名称の建物です。このオフィスはとてもすばらしく感動しましたので、議場にパンフレットを配付させていただきました。(資料を示す)南紀白浜ワーケーションという冊子であります。この新築のモダンな建物は、丘の上に立っていて、とても眺めがよく、その上、南紀白浜空港から徒歩五分で着きます。また、この建物には七つのサテライトオフィスがあり、そのうち既に二か所のオフィスが入居、残る五つのオフィスにも入居の問合せが殺到しているとのお話でした。 午前中、視察したどの施設も、外にはコバルトブルーの海が広がり、部屋はリラックスモードのインテリアが並び、まさに脳も活性化して効率的でアイデアも浮かぶ、働き方改革の有効な手段だと感じました。この地域は南紀白浜空港があり、羽田空港から約一時間で着き、交通の便もとてもよいところです。 最近、白浜町だけでなく、和歌山県全体として観光資源も多く、脚光を浴びています。特に、二つの世界遺産もあり、じゃらん宿泊旅行調査で総合満足度が都道府県ランキングで二〇二一年一位になりました。また、二〇二二年には都道府県魅力度ランキングは、前年三十二位から二十六位となり、和歌山県が伸び率で一位となりました。今、とても関心の高い和歌山県であります。 午後からは、ワーケーションに造詣の深い講師をパネラーに迎えて、パネルディスカッションが開かれました。進行役には、これまでいろいろなタイプのワーケーションを和歌山県に根づかせてこられた仁坂知事自らが、時間を忘れるほど熱くユーモアを交えて進行される姿が印象的でした。 一方で、我が岐阜県に目を向けますと、十月三十日に、養老町と大垣共立銀行が養老公園を中心とした観光拠点整備プロジェクトを共同で進めると発表しました。特に、今年九月一日に養老公園の南にテレワーク施設YOROffice(ヨロフィス)がオープンしました。 このYOROfficeは、レンタルオフィスをはじめ、コワーキングスペース、クリエーターズスペース、ソロワークスペースなど様々な用途で利用できるテレワーク施設です。自然豊かな環境の中で集中して仕事しながらリフレッシュしやすい環境です。また、カフェテリアや休憩室など、リラックスできる空間やキッズスペースや授乳室もあり、子育て世代にも配慮されています。 偶然にも、白浜の研修で出会った日本航空の方が十一月三十日、養老でワークスタイルに関するセミナーを開きますとお聞きし、驚きました。信じられない御縁であります。当日は、初めてYOROfficeにも伺いましたが、内容はJALが中心になっている「ワークスタイル研究会」の総会とセミナーでした。セミナーには、民間企業、自治体、JALスタッフほか三十一名の方が熱心に学ばれていました。また、オンラインでは二十九名の参加があったとお聞きしました。 このように、身近なところで既に取り組んでいる自治体があることにも驚きました。今、御紹介させていただいたYOROffice以外にも、県内の市町村や民間企業において、サテライトオフィスの整備・誘致が進んでおり、県でもその後押しをしていると聞いております。 本県の企業誘致の実績は、いつも知事が話されているように、とても好調に進んでいると感じています。全国都道府県の中でも絶えず上位に入っています。関係者の御努力にも敬意を表するものです。 その理由には、岐阜県が日本の真ん中にあり、山々と清流の織りなす自然環境に育まれた山紫水明の地であり、また東京・大阪を結ぶ東名、名神、中央自動車道などの交通アクセスも充実しているからだと思います。さらに、二〇二七年に予定されているリニア中央新幹線の開業により、東京と岐阜の時間距離も大幅に短縮されます。このように、本県は絶好のサテライトオフィスの立地環境にあると考えます。 そこで商工労働部長にお伺いします。 本県においても、市町村や民間企業などと連携してサテライトオフィスの誘致を行っていると聞いておりますが、サテライトオフィスの誘致の現状と今後の取組についてどのようにしていかれるのか、お聞かせください。 次に、岐阜県の若年層の献血者数減少に対する対策についてお伺いします。 私は以前、といってももう十二年前のことになりますが、初めて岐阜県の献血状況について質問をしました。きっかけは、自分自身が献血に行ったときに岐阜県の献血率が全国的に見て下位に位置していたこと、それと岐阜県民が必要とする輸血の量を岐阜県民の献血で賄うという自給率も同時に低い状況になっていると知ったからです。 ただ、現在この自給率は日本赤十字社東海北陸ブロック血液センターに献血が集められ、広域で安定的に血液を供給する運営体制に変わったため、県単位の自給率は分かりかねるとのことです。また、当時は十代から三十代の若い人の献血率が低いことから、高校生の献血率アップについても教育長にお尋ねした次第です。 さて、今回の質問のきっかけとなったのは、特別委員会の視察で長岡市を訪問した際、ホテルのテレビで、コロナ禍における献血の現状というテーマのお話をされていた東京かつしか赤十字母子医療センターの産婦人科医の林先生のお話を伺うことができたからです。これも不思議な巡り合わせです。 コロナ禍にあって、学校や企業の献血、さらにイベントそのものが中止になって、献血ができなくなることが多くなりました。反面、献血を必要とする患者さんはコロナだからといって減ることはないと思います。 そんなこともあり、特にここ数年の現状が気になり調べてみますと、議場にお配りしたように(資料を示す)「岐阜県内過去十年間の献血者数の推移」という資料を見ていただきますと、平成二十三年度から令和三年度までの総献血者数は一万二千四百八十二人減少しています。特に、十代から三十代の若者の減少は著しく、平成二十三年度は三万六千十三人が、令和三年度は二万八十五人となっています。ただ、四十代から六十代の献血者は平成二十三年度の四万五千五百二十七人から、令和三年度は四万八千九百七十三人と増加しています。 政府は、献血者の人数を増やす意味からも、平成二十三年四月より採血基準を一部変更して、男性の四百ミリリットルの全血献血の年齢を十八歳から十七歳に引き下げました。また、男性に限り、血小板成分献血の年齢の上限を五十四歳から六十九歳に引き上げました。ただし、六十五歳から六十九歳までの方については、六十歳から六十四歳までの間に献血の経験がある方限定となっています。こうした改定により、献血量が増えたとは思います。 少し古い記事になりますが、今年二月九日の岐阜新聞にこんな見出しの記事がありました。大見出しが「血液不足再び深刻」、小見出しとして「献血第六波で遠のく足……」です。記事の内容は、オミクロン株が猛威を振るう中、全国的に輸血用血液の不足が再び深刻になっている。第六波が襲来した今年一月には県内など七県を含む東海北陸ブロックで約千人分の血液の不足が生じた。県赤十字血液センターは、外出控えや献血バスの受入れ中止で献血協力者の確保に苦慮しており、積極的な協力を呼びかけていますと記されてありました。 昨年二月には、岐阜県赤十字血液センターの所長コラムには、「ランキング?二月に思うこと」の見出しで、所長自ら献血率について話されています。令和元年度の献血可能年齢である十六歳から六十九歳の人口に対する献血者数の割合の全国平均は五・八%で、都道府県別では、最高は北海道の七・三%、最低は四・六%です。我が岐阜県は五・一%で、四十二位ということです。 近年は、若年者の献血減少が課題となっていますので、献血率を年齢別に見てみると、十六歳から十九歳では全国平均五・五%で、最高は一一・九%の栃木県、岐阜県は四・一%で四十位。二十歳から二十九歳までは全国平均五・七%で最高値が八・五%の秋田県、岐阜県は四・二%で四十五位です。今も岐阜県の献血率順位は低いところにあります。 私が十二年前に質問をしたときも、十代から三十代の若い人の献血率は低い状況でしたが、現在でもその傾向は変わっておらず、やはり若年層の献血対策は将来的にも極めて重要であります。 そこで、他県の若年層への取組を調べてみますと、例えば兵庫県では地元出身の女優のんさん、存じ上げませんが、若年層向けの広報活動に協力する県赤十字血液センターの献血推進大使に就任しました。また、岡山県赤十字血液センターでは献血量が十三か月連続不足していることから、岡山市内の献血ルームうららでは、毎週月曜日に漫画雑誌の週刊少年ジャンプをプレゼントしたり、高級アイスクリームなどを贈っているようです。また、大分県ではJAの協力を得て、県の農産加工品を献血の予約をした方に配っているようです。 そこで、健康福祉部長にお伺いします。 岐阜県の献血者数の年代別の内訳を見ますと、十代から三十代の若年層の献血者数とその割合が年々減少傾向にあります。そこで、県として若年層の献血者数が減少していることについて、どのように考え、どのような対策をしていかれるのでしょうか。 最後に、東日本大震災から十一年、その後も全国各地で地球温暖化の影響か台風、線状降水帯の活動、地震等により信じられないような水害・災害が起きています。そのたびに、多くの若者がボランティアに参加して、災害で心が折れそうな多くの市民を励まし、癒やし、そして参加した青年もすがすがしい思いで、休みを見つけては、また引き続き参加しております。 私は、個人的には若者たちのそうした姿をテレビ、新聞で見るたびうれしくなります。その同年代の若者たちに、この献血ボランティアもまさに自分自身の体を通して人の命を救うこと、すぐに役立つ崇高なボランティアであることをもっとアピールすべきではないか。そして、献血された血は永久に保管できるわけでなく期限があり、日々行われるがんなどの治療に不可欠な大切な血液の必要性、重要性は一日一日が待ったなしの状態です。 そうした人の命を救う大切なお手伝いを自分の体の血液を通してするということを分かりやすく伝えることによって、多くの若者が共鳴して、献血に参加してくれるのではないかと思います。今後の県の若年層の献血者数の増加に向けた積極的な取組に期待して、私の一般質問、最終日の最後の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。    (拍手) ○副議長(加藤大博君) 商工労働部長 崎浦良典君。    〔商工労働部長 崎浦良典君登壇〕 ◎商工労働部長(崎浦良典君) サテライトオフィス誘致の現状と今後の取組についてお答えします。 これまで、施設整備への補助制度を創設するなど、積極的にサテライトオフィスの誘致に取り組んでまいりました。 総務省の調査では、今年三月末時点で、本県では二十施設に八十九か所のオフィスが開設され、全国第三位となっております。 一方、入居企業の誘致に関しましては、お試し体験や入居経費の支援などを実施してまいりましたが、コロナ禍の行動制限、在宅勤務の増加などにより入居が伸び悩み、また入居企業においても社員の帰省時の一時利用にとどまるなど定着が進んでいない状況です。 このため、今後はまず入居企業の拡大に向けて、市町と連携した大都市圏でのPRを強化するとともに、観光資源を活用したワーケーション利用も視野に入れたPRも検討してまいります。 また、新たに市町とオフィス運営者との連携体制を整え、全国の定着事例を共有しつつ、入居企業が地域との連携にメリットを見いだせるよう、地元企業等とのマッチングを図ることで入居企業の定着化につなげてまいります。 ○副議長(加藤大博君) 健康福祉部長 堀 裕行君。    〔健康福祉部長 堀 裕行君登壇〕 ◎健康福祉部長(堀裕行君) 若年層の献血者数減少に対する対策についてお答えします。 本県の献血者数は、直近十年で一五%、約一万二千人減少しましたが、特に三十九歳までの若い世代では四四%、約一万六千人の減少となっており、将来の医療に必要な血液の安定確保に危機感を持っています。 このため、本年七月に「未来へつなぐ献血プロジェクトぎふ」と題し、特に将来にわたり献血事業を支える三十代までの若者に、初めての献血や継続を促す県独自の取組を開始しました。 具体的には、若者の献血への関心を高めるため、身近なSNSでの情報発信や本県出身の若手モデルを起用した啓発などを展開しております。 また、同世代からの声かけが若者の献血協力への契機となるため、本年度から学生献血ボランティアの募集を始めたところ、現在までに約三百名の大学生や高校生の登録があり、献血会場周辺などで活発に啓発活動を実施いただいております。今後もこのような取組をさらに充実し、若い世代の献血者増加につながる効果的な普及啓発に努めてまいります。 ○副議長(加藤大博君) これをもって一般質問並びに議案に対する質疑を終結いたします。…………………………………………………………………………………………… ○副議長(加藤大博君) お諮りいたします。ただいま議題となっております各案件は、お手元に配付の議案及び請願付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託の上、審査することにいたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(加藤大博君) 御異議なしと認めます。よって、ただいま議題となっております各案件は、お手元に配付の議案及び請願付託表のとおり、それぞれ所管の常任委員会に付託することに決定いたしました。 なお、審査は十二月十四日までに終了し、議長に報告願います。 △令和四年第五回岐阜県議会定例会議案及び請願付託表 委員会名付託案件総務委員会◯ 議第百二十六号のうち歳入予算補正、歳出予算補正中総務委員会関係及び地方債補正 ◯ 議第百二十七号 ◯ 議第百三十三号から議第百三十七号まで ◯ 議第百四十八号 ◯ 議第百五十号のうち歳入予算補正 ◯ 請願第四十一号企画経済委員会◯ 議第百二十六号のうち歳出予算補正中企画経済委員会関係、繰越明許費補正中企画経済委員会関係及び債務負担行為補正中企画経済委員会関係 ◯ 議第百三十八号 ◯ 議第百四十四号 ◯ 議第百五十号のうち歳出予算補正中企画経済委員会関係  厚生環境委員会◯ 議第百二十六号のうち歳出予算補正中厚生環境委員会関係 ◯ 議第百二十八号 ◯ 議第百四十三号 ◯ 議第百四十五号 ◯ 議第百五十号のうち歳出予算補正中厚生環境委員会関係 農林委員会◯ 議第百二十六号のうち歳出予算補正中農林委員会関係、繰越明許費補正中農林委員会関係及び債務負担行為補正中農林委員会関係 ◯ 議第百三十九号 ◯ 議第百四十六号   土木委員会◯ 議第百二十六号のうち歳出予算補正中土木委員会関係、繰越明許費補正中土木委員会関係及び債務負担行為補正中土木委員会関係 ◯ 議第百二十九号から議第百三十二号まで ◯ 議第百四十号 ◯ 議第百四十二号 ◯ 議第百四十七号 ◯ 議第百四十九号教育警察委員会◯ 議第百二十六号のうち歳出予算補正中教育警察委員会関係及び債務負担行為補正中教育警察委員会関係 ◯ 議第百四十一号 ◯ 請願第四十号   …………………………………………………………………………………………… ○副議長(加藤大博君) お諮りいたします。委員会開催等のため、明日から十二月十四日までの五日間、休会といたしたいと思います。これに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(加藤大博君) 御異議なしと認めます。よって、明日から十二月十四日までの五日間、休会とすることに決定いたしました。…………………………………………………………………………………………… ○副議長(加藤大博君) 以上をもって、本日の日程は全て終了いたしました。 十二月十五日は午前十時までに御参集願います。 十二月十五日の日程は追って配付いたします。 本日はこれをもって散会いたします。 △午後二時三十七分散会 ……………………………………………………………………………………………...